【野球】広島・磯村、正捕手への課題「レギュラーとして一本立ちしたい」
広島・磯村嘉孝捕手(26)がレギュラー奪取の道を歩むための決意を示した。まずはプロ9年目の来季、1試合フルでマスクをかぶることを増やしていく思いで「まずはたくさん試合に出ること。会沢さん、石原さんに守備でも打撃でもまだまだかなわないところがあるので、1試合全部かぶらせてもらうようになるには両方ともレベルをアップしないといけない」と言葉に力を込めた。
今季は自己最多の37試合に出場。9月1日・ヤクルト戦では15勝目を挙げた大瀬良を好リードし、ともにお立ち台に上がる場面もあった。だが、先発25試合中フル出場は4試合。「投手と同時にイニングの途中で代わることも多々あった。それが(相手打者が)3打席目、4打席目ぐらいの時なので、同じような失敗を繰り返してるのかなと思っています」と捕手として課題と受け止めている。
特に配球面に改善の余地があるという。「どうしても一番いいボールに最後の方は頼ってしまった部分があった。まだ見せてない球種を使ったり、球威が落ちてきても同じような配球でいってみてもいいのかな」。1試合任される捕手となるためにも多くの引き出しを身につける必要があると感じている。
視野も広くしていく。石原に常々言われるのは「自分がそこに座って何を感じるか」。打者や投手、はたまた相手ベンチ…。「いろんなところを見て観察して、いろんなことを感じられるように。日々努力です」。20日まで行われた秋季キャンプでは、ブルペンで投球練習を行う中村祐や高橋樹らの球を受け、積極的に意見を交わすなど投手とのコミュニケーションも図った。
もちろん打撃面でのレベルアップももくろむ。今季は打率・215、1本塁打、4打点。出場こそなかったが、ソフトバンクとの日本シリーズではベンチから思うこともあった。「全員150キロを超えてくるので、あれに打ち負けていたら勝てない」。速球をはじき返していくためにもオフはスイングスピードの強化、タイミングの取り方に重点を置く。
攻守で進化を遂げた先に見据えるのはただ一つ。「レギュラー選手として一本立ちしたい」。引き締まった表情の中に、燃えたぎる闘志をのぞかせた。その座をつかみ取るためにも、とにかく前へ進んでいく。(デイリースポーツ・田中 哲)