【芸能】地方局のアナウンサーが小説家デビュー 広島からマルチな活動続ける
地方局のアナウンサーながらマルチな活動を続けるRCC中国放送(広島市)の横山雄二アナウンサー(51)。テレビやラジオのバラエティー番組出演から映画監督、俳優、歌手、レーサーなど活躍するジャンルはどんどん広がっている。
そんな横山アナが新たなチャレンジをやってのけた。なんと小説家デビューを果たしたのだ。10月13日に「ふるさとは本日も晴天なり」(角川春樹事務所・ハルキ文庫)を全国発売したもので、すでに7刷重版するなど好評を呼んでいる。
「おかげ様で多くの人に読んでいただいてます。(親交のある)角川春樹さんから『小説を書け』と言ってもらって書き始めたんですが、本当に大変でした。何度もくじけそうになったけど、そのたびに角川さんの顔が頭に浮かんで…。なんとか完走することができました」
仕事を終え、自宅に戻ると、ひたすらパソコンに向かって小説を書く日々を送った。最初は短編小説を何本か書いたが、編集者からダメ出しされて全部ボツに。1年かけて長編小説を書き上げた。「いろんな活動をしながら、自分でもよく書けたなって思います。50歳を過ぎてもコツコツ頑張れば、新しいことを成し遂げられるということを皆さんにも伝えられれば」と語る。
小説は自らの半生をベースに書き下ろした自叙伝的物語で、主人公も実際と同じ、宮崎で生まれ育った「横山雄二」。ラジオや映画に夢中だった少年時代を経て、大学卒業後は念願のアナウンサーに。しかし、ある事件がきっかけで社内で孤立してしまうが、家族の愛とラジオを支えに苦境を乗り越えていく姿が描かれている。
「小説の柱は僕と家族の話です。僕は子供の頃から家族が大好きでした。ファザコンやマザコンじゃなく、ファミコン(ファミリーコンプレックス)です(笑)。でも、オヤジが亡くなった時に死に目に会えなくて、『人生ってこんなにあっけないものなのか』と思って…。読んだ人が少しでも(離れて暮らす)親や大切な人を思い出して、“ちょっと連絡でもしてみようか”と思ってもらえたらうれしいですね」
横山アナにとって最高のエンターテイメントとは「笑って泣けること」だという。「泣きどころもたくさんあります。笑って泣ける本にしたいと思って書いたんですが、思った以上に、それが読者の皆さんにも伝わったのではと感じています」。書籍の帯には、交流のある爆笑問題の太田光からの「今日も明日も広島は強い!ヨコヤマ!フルスイングで打ちに行け!」という推薦文も掲載された。
パーソナリティーを務める中国放送の人気ラジオ番組「ごぜん様さま」が通算4000回放送を達成。東日本大震災復興チャリティーライブ「ヨコヤマ☆ナイト」も義援金が2000万円を突破するなど大きな節目に、小説家デビューも飾った横山アナ。「商品価値があってお金を稼げるアナウンサーでいたいです。これからも“日本一の局アナ”を目指して、いろんなことにチャレンジしていきたい」。小説家の次は果たしてどんな挑戦が待っているのだろうか。(デイリースポーツ・工藤直樹)