【野球】日本一早い来季のセ・リーグ順位予想 小山&安仁屋両氏が占う
緒方広島のリーグ4連覇か、はたまた大型補強を敢行した原巨人の5年ぶりV奪還か。矢野新監督率いる新生阪神は最下位脱出なるか…。猛虎のレジェンド・小山正明氏(84)と鯉の“ご意見番”安仁屋宗八氏(74)が、一足早く2019年のセントラル・リーグを占った。
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(1)巨人(2)広島(3)阪神(4)以下ダンゴ…。来季の順位をこう予測した小山氏は「いずれも持てる力を出し切るというのが前提」と続けたが、大補強の巨人は「さすがに一目置かざるを得ない」と話す。
「2年連続MVPの丸が入り、今年大ブレークした岡本と3、4番を組めばそりゃ他球団にとっては脅威になるわな。しかも2年連続沢村賞の菅野がおるわけやしね。優勝候補の筆頭にせんわけにはいかんよ」
いつもは阪神のライバル・巨人には厳しい口調になる同氏は、岩隈や中島、炭谷といった他の新戦力には興味は示さない。ただ、丸を獲得したことによって大黒柱の菅野がさらなる“スーパーエース化”することを予想する。「今年は完封勝ちが8つか…。援護点があればもっと増えるかもしれんね」。1964年に挙げた13完封(歴代4位)に迫る可能性もあるとみている。
球団初の4連覇を狙う緒方広島に関しては「丸が抜けたのも痛いが投手陣がしんどいんやないか…」と指摘。ただし「総合力で巨人と互角かそれ以上」と評価する。この“2強”に割って入ると期待するのが古巣・阪神。「西とガルシアの加入は大きいよ。僕が期待しとる小野と才木が思惑通りに成長すればかなり楽しみやで」と、“ひいき込み”で3位と予想した。
一方の安仁屋氏も「当然巨人は強くなるはず」と認めつつ、優勝は「広島」と断言。丸が抜けたとはいえ、球団初の3連覇を成し遂げた地力は混戦になればより生きると言う。
「丸の穴は誰が見ても大きいですよ。しかしワシはその穴を松山がしっかり埋めてくれると思うとるけね。キャリアハイの成績を残した今年以上にやってくれるはずだし、急成長の野間も黙っていない。丸が抜けたことでより競争が激しくなりチームも一丸となるんじゃないかな」
広島OB会長でもある同氏の“広島優勝予想”は恒例ではあるものの、結果が出ているだけに説得力がある。「カープをはじめ、他球団がどれだけ丸の懐を攻められるかがカギ。どのコースもうまくさばくけど、比較的弱いのが内角。怖がらず投げ切ればそう打たれない。カープ投手陣は徹底して攻めると思いますよ」との予測はもう“予言”に近い。
(1)広島(2)阪神(3)巨人…という安仁屋氏の順位予想で、巨人より上にもってきた阪神にはかなりの願望が含まれている。「今年は最下位に沈んだが、夏場までは2位のヤクルトとも大差はなかった。とすれば来季浮上する目は十分にある。ワシは楽しみにしとるよ」。“2強”を崩す台風の目に矢野阪神がなれるかどうか。重鎮二人は生まれ変わった虎に熱い視線を向けている。(デイリースポーツ・中村正直)