【野球】巨人超大型補強で来季の打順は?“実力至上主義”原采配がさく裂か
来季、巨人で4年ぶりに指揮を執る原辰徳監督。岩隈、炭谷を獲得するなど超大型補強でオフの主役に浮上したが、本当の見せ場はこれから。監督通算12年でリーグ優勝7回の手腕が19年シーズンにいよいよ発揮される。
今オフ、目立っていたのが野手陣の強化。ビヤヌエバ、中島、丸とクリーンアップも任せられる主力級の打者をズラリとそろえた。丸を獲得した際、原監督は「中心のところでやってくれると思う。希望に満ちた形でオーダーを決められる形になってきている」と明言した。
戦力が着実に整ってきた中で来季の打順は一体、どうなるのかにも注目が集まる。既に今季、史上最年少で3割、30本、100打点を成し遂げた岡本については、“4番・三塁”を基本線に起用する考えを示している。クリーンアップの中心にどっしりと若きスラッガーの岡本が座る。丸と岡本が組むとみられる3、4番のコンビが打線の中心になるだろう。
その2人だけではない。中島やビヤヌエバ、阿部、坂本勇ら力も実績もあるバッターもいて、打順のバリエーションも一気に増えた。将は百戦錬磨の自身の考えをもとに、コーチの意見に耳を傾け、柔軟に、時には大胆に打順を決め、勝負どころに応じたタクトもさえ渡るはずだ。
今回の第3次政権前の第2次政権では、原監督が、特に打順に関して“動いていた”イメージがある。13年には不動の4番だった阿部を3番、村田を4番に入れるなど打線を組み替え、このテコ入れも功を奏して2連覇を成し遂げた。14年には、3連覇を果たすまでに本来はシーズンを通して固定したい4番を7人も起用し、チームの活性化を図った。実績のある主力に対しても、遠慮せず打順を下位に下げたり、スタメンから外す荒療治も敢行してきた。
将の根底にあるのは、いつも「勝つため」に徹底して自身の信念を貫くこと。来季もポリシーである“実力至上主義”を貫く。個人のためではない。勝利のため、巨人軍のため-。さらに円熟味を増した“原采配”に注目したい。(デイリースポーツ・伊藤玄門)