【野球】巨人・丸「新人」発言の真意とは

 巨人に待望の強打者が加わった。広島からFA権を行使した丸佳浩外野手のことだ。特大のプレッシャーがかかる中、ここまで黙々と自主トレをこなしている。

 正直、驚いた。今月10日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを公開した際のことだ。自主トレ後の“囲み”取材。冒頭で自ら質問を遮るようにして「あけましておめでとうございます」と言った。この日が、今年の報道陣との初顔合わせ。律義に新年のあいさつをして、報道陣を驚かせた。

 その発言も謙虚なものが多い。印象的だったのが、自らを「新人」と位置付けたコメントだ。ジャイアンツ球場で行う自主トレでは新人が、隣で合同自主トレを行う。「僕もある意味、新人みたいなもの。初心に立ち返ってやっていけたら」。

 巨人移籍1年目。昨季まで2年連続MVPを獲得するなど広島の3連覇に貢献したスラッガー。今オフのFAの目玉にもなった大物が、“新入社員”のような姿勢や態度で臨む心意気なのだろう。

 その練習に取り組む姿勢などに巨人の若手も大いに刺激を受けているが、丸自身は若手らと情報を共有し、質問して自身も学ぶ謙虚さを見せている。Vの使者として期待され、大きな注目を集める中、報道陣への対応も丁寧そのもの。球団に対して、オフのジャイアンツ球場での自主トレ後は、毎日でも“囲み”取材に応じる姿勢を見せているという。

 かつて巨人にFA移籍した大物選手たちは特大のプレッシャーを感じ、報道陣を警戒したり、口が重くなるケースも多々あった。その傾向は現状では百戦錬磨で、しかも誠実な丸には見られない。巨人時代の松井秀喜氏は、おおらかで超大物感を漂わせた。巨人にFA移籍した小笠原道大氏も重圧をはねのけて盟主をけん引した。2人の左打ちの強打者のように丸も、老舗球団のシンボルになる可能性を秘めていると感じた。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

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