【野球】広島・ドラ1小園、あるさ~沖縄1軍キャンプ 課題の打撃も迎コーチ高評価
広島のドラフト1位・小園海斗内野手(18)=報徳学園=が評価を上げている。球団の高卒野手で、春季キャンプ1軍スタートとなったのは92年の徳本政敬以来、27年ぶりだ。走攻守すべてにおいて他の選手に見劣りしない場面が多く見受けられる。15日からは沖縄キャンプ。小園がこのまま1軍キャンプに帯同する可能性は…。
第2クール最終日となった7日の練習後、高ヘッドコーチは目尻を下げた。「いいものを出している。シート打撃での守備は、定位置より後ろに守っていた。自信がないとできない」。実戦形式の練習はこの日が初めて。緊張感ある中で見せた、安定したプレーの数々に潜在能力の高さを感じ取った。
早出練習ではグラブの出し方や捕球姿勢、スローイングなど基本を徹底的に反復練習。午前中のノックでは田中広らと一緒に球を受ける。投内連係でチームメートに送るブロックサインも、ぎこちなさはなくなってきた。
1月の自主トレで守備力には定評があった一方で、打撃はさらなる鍛錬が必要だと考えられていた。だが5日のプロ初対戦となったフリー打撃で九里の直球を捉え“プロ1号”を放った。「しっかり振れているところがいい」と迎打撃コーチ。高卒とは思えないどっしりとした下半身。それを土台にして振り抜く力強さを評価した。
キャンプ前は、15日からの沖縄キャンプに帯同しない可能性があった。しかし、動きの良さなどから参加が現実味を帯びてきた。
沖縄では他球団との練習試合やオープン戦が始まる。実戦最初から遊撃のレギュラー田中広がフル出場することはないため、出場機会は巡ってくる。2軍に残れば練習量は落ちずレベルアップを図れるかもしれない。だが、1軍戦に出場すれば技術以外を含めた自身の現在地を知ることができ、目指すレベルも明確になる。
オープン戦が本格化する3月は開幕を見据えた準備に入る。将来の正遊撃手として期待が集まる。もちろん競争社会。力量が一定に達していることを前提とした上で、2月なら成功も失敗も含めた経験を積ませることは可能ではないだろうか。
6日に天福球場を訪れた侍ジャパンの稲葉監督は小園について「先輩の打っている姿をじっと見ていて研究熱心だと思った。見て盗む、成長につなげていくと言うかね」と話した。リーグ3連覇を成し遂げたメンバーから刺激を受けながら着実に力を付ける小園。沖縄キャンプ帯同が大きな成長曲線につながるはずだ。(デイリースポーツ・市尻達拡)