【野球】巨人・原監督がキャンプで“みんなにウエルカム”な理由

 今季、4年ぶりに指揮を執る巨人・原辰徳監督。春季キャンプでは新戦力、ベテラン、中堅、若手に目を光らせつつ、熱血指導も行ったが、それ以外の部分でも積極果敢に動いた。

 特にサービス精神旺盛だった。宮崎キャンプ中の11日には、練習の合間に異例のファンサービスイベントを敢行した。今季のチームスローガンは「Show The Spirit~和と動」。“和”はファンの意味合いもあり“動”は選手が動いて技術を見せる。指揮官は「ファンの人たちとジャイアンツの選手たちがしっかり融合する。両方とも必要だと思う」とはっきりした口調で明言した。

 “サービス”は球場を訪れたOBの評論家に対しても行っていた。評論家に自ら接触し、大歓迎して自由に動いて取材することを促した。サンマリンスタジアム宮崎で紅白戦が行われた際は、評論家に応接室を用意したこともあった。熱烈なG党として知られるお笑いコンビ・さまぁ~ずの2人が宮崎キャンプ地を訪問した際は「どうぞ」と手招きでグラウンド内に招待した。

 原監督の“サービス”は、報道陣に対しても同じだった。サンマリンスタジアム宮崎での紅白戦の試合中に通常、報道陣は入れない三塁側ベンチを開放した。終盤に指揮官が三塁側ベンチに足を運び、試合の合間に野球談議に花を咲かせることもあった。

 将の積極的なサービスに加え、サンマリンスタジアム宮崎に隣接する新ブルペンの効果もあって10日の宮崎キャンプは、4万人の大観衆が訪れるなど大フィーバーした。巨人にとっても、この過熱ぶりは久しぶりの光景だった。

 今回、指揮官に就任するまで3年間、評論家活動などを行ってきた原監督。「私も3年間、若きリーダー高橋由伸監督にバトンを渡して、しっかりと応援して。自分の中ではOB、ファンの立場でジャイアンツを見ていた」。前回の第2次政権時以上にファンの“目線”を意識しているのは、3年間の自身の経験を踏まえてのことだろう。

 「現状、監督として戻った。真剣に野球を見るようになった。新鮮なんですね。新鮮な状態で2019年度のペナントレースに臨める。しっかりとチームを構築して、ある程度のメンバーを決めて来る開幕から全速力で走っていきたい」と原監督。そして「一丸となってファンの皆さんと戦ってまいりたい。まずファンの方たちが喜ぶことは大事。ファンサービスも大事。勝ちにこだわって勝負に挑んでいきたい」と力強く誓った。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

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