【野球】巨人、2番丸で固定概念崩す 送りバントしない超攻撃的布陣
強力打線は今季、猛威をふるうのか-。覇権奪回に向け昨オフに巨大補強を敢行した巨人。広島からFAで丸佳浩外野手(29)らが新加入した。2年連続リーグMVPの強打者を、あえて2番に据える超攻撃的布陣が生み出す効果とは-。「2番=バント」の固定概念を吹き飛ばす原巨人の新打順を分析した。
新生巨人の“主役”は、昨季まで広島で2年連続MVPに輝いた丸だ。広島時代の定位置は3番。だが原監督は、球界屈指の強打者を2番に据える構想を描いている。
2番打者といえば、送りバントなど小技を駆使するというのが、従来のイメージ。だが原監督は過去の巨人の歴史をひもといても、珍しい策を練っている。2番・丸には送りバントをさせない-。この意向は本人にも伝わっており、丸は「打ちにいきながらつなげることができれば一番」と理解している。
例えば一回無死一塁で丸に打席が回り、安打で一、三塁とチャンスを拡大できれば、大量得点の確率が高くなる。「(丸は)器用なところもあるし、(ベンチはバントで)送ることも考えていない」と険しい表情を浮かべる阪神・古里スコアラー。丸は昨季、歴代4位タイ、史上2人目の130四球を選んだ抜群の選球眼を誇り、四球で上位打線につなぐことも可能だ。
昨季はリーグ1位の犠打企図数だった巨人打線。1番・吉川尚、3番・坂本勇、4番・岡本と続く超攻撃的オーダーは、つなぐ力と機動力をフルに生かせる。実際に丸は春季キャンプ中の対外試合3試合で計8打数4安打の打率・500と、“恐怖の2番打者”として君臨。古里スコアラーは「1、2、3番で機動力も使える。嫌な打線」と警戒した。
かつての巨人軍の大型補強といえば清原、江藤、ローズ、ペタジーニといった“4番打者”を集めクリーンアップを任せるケースが多かった。だが今季の原巨人は違う。つなぐ打撃もできる丸の新加入によって戦術の幅が広がり、攻撃も破壊力が増し、得点力もグッと上がるはず。新打線は、他球団にとって間違いなく脅威となりそうだ。(デイリースポーツ・伊藤玄門)