【野球】オリックス・安達、僕らは見られる職業…阪神・原口が大腸がん、競泳・池江が白血病公表
阪神・原口文仁捕手(26)が大腸がん、競泳の池江璃花子(18)は白血病を公表する中、今回は2016年に国指定の難病『潰瘍性大腸炎』を発症したオリックス・安達了一内野手(31)に、アスリートが病気と闘うということについて聞いた。
10代や20代、しかもトップアスリートたちが次々に病に冒される現実にやるせない思いになる。
なにかできることはないのか?安達に当時、支えになったことを聞いてみた。
2016年1月。自主トレ期間中に「潰瘍性大腸炎」を発症し入院。キャンプインはベッドの上で迎えた。
「野球は見ないでくださいとお医者さんに言われたけど、パソコンでずっとキャンプ中継を見ていました。テレビを見ると食べられないのに食レポの番組ばかりやっていて。だからDVD見るか、キャンプ中継見てました。たぶん、原口君も今、すごく野球をやりたいと思いますよ」
それまで当たり前にやれていたことが、ある日突然、できなくなる。そんなときに励まされたのが、メッセージなのだと言う。
「SNSでもらったメッセージにはとても励まされました。特に同じ病気の人からのメッセージは一人じゃないというか、頑張ってる姿を見せなきゃと思いましたね。復帰してからは、どんなにしんどくても映っているかもしれないと思ってうつむいたり、しんどいところは絶対に見せないようにと思うようになりました」
病を抱える身で、つらさを隠さなければならない。それはあまりに酷なことではないのか。そんなこちらの思いを見透かすように安達は笑顔を見せる。
「僕らは見られる職業なんですよ」
以前よりも背負うものが多くなったと感じるという。自分が弱音を吐けば同じ病と闘っている人たちの希望を消すことになる。だから、どんなときでも堂々と立ち向かう姿だけはやめることがない。
今キャンプではキャプテンの福田を遊撃で起用するプランが浮上。ポジションを争う立場になった。それでも平然としている。
「監督が決めることですから。僕も森脇さんや福良さんに使ってもらった。譲るつもりはもちろんないですよ。最後に1番(試合に)出ていたなってなればいいと思う」
日々あらゆるものと戦う彼らは強い。われわれができることは声援を送ることだけかもしれない。ただ、それを力に変えるすべをアスリートと呼ばれる人たちは持っている。(デイリースポーツ・達野淳司)