【野球】広島・アドゥワ、課題のカーブ磨いて先発ローテ入りだ 2軍で先発調整中
広島のアドゥワ誠投手(20)がファームで本格的に先発調整することが決まった。昨季は1軍で53試合に登板したが、今季はチームが掲げる「先発10人構想」の下、先発調整を続けてきた。開幕ローテ入りこそ厳しくなったが、課題のカーブに磨きをかけ、再び1軍マウンドを目指す。
7日の社会人・オール広島戦(マツダ)で明確な課題が見つかった。2番手で登板したアドゥワは3回3安打1失点(自責点0)。「序盤はストライク先行の投球ができなかった。後半はそれができた」と振り返り、「カーブをある程度狙ったところに投げられるようにしないといけない」と精度向上を誓った。
1イニング目の五回だ。1死からそのカーブで死球を与えた。ブルペンでは「完ぺきまでいかないけど、実戦で投げるよりできている」と話すが、「(マウンドに)上がると、どうしても開いたりして変に意識してしまう」と言う。
六回には味方の失策から右中間へ三塁打を浴びて失点を喫したが、144キロで空振り三振を奪ったり、ピンチを併殺で切り抜けるなど、随所にアドゥワらしさも見せた。
試合後、佐々岡投手コーチは「先発としてもっと長いイニングを投げてもらう。今日の投球どうのこうのではなく、ファームで先発要員として準備してもらう」と本格的な先発調整を強調した。
今季、チームは「先発10人構想」を掲げ、アドゥワも先発に挑戦してきた。ただ、キャンプ中から不運にも雨天中止が登板に影響。実戦での予定イニングが減り、3回が最長イニングでは、先発としての適性を判断するのも難しかった。
現状、先発は大黒柱の大瀬良、ジョンソンに加えて、野村、床田が決定。ここに九里と岡田が加わる見込みで6枚はそろっている。キャンプイン前日、緒方監督は「先発10人構想」について「どうしてもシーズンに入って、イレギュラー、アクシデントがあって、先発が足りなくなるからね」と長いシーズンを見据えての構想であることを説明した。
今季は4月後半から12連戦も控える。昨季のアドゥワは高卒2年目ながら1軍で53試合に登板してリーグ3連覇に貢献した。今季も救世主として、1軍のマウンドに戻ってきてくれるはずだ。(デイリースポーツ・杉原史恭)