【野球】習志野高の吹奏楽部“美爆音”の意外な秘けつ センバツ見どころは応援席も

 第91回選抜高校野球大会の開幕も23日と目前に迫ってきた。10年ぶり4度目の出場となる習志野(千葉)といえば、高校野球ファンにとってはスタンドにも楽しみがある。野球部を応援する吹奏楽部は1962年に創部。全国大会常連で金賞も数多く獲得してきた名門だ。

 昨年度は総勢205人が在籍したほどの大所帯で、顧問も音楽指導担当の4人を含む7人がそろっている。校舎には授業で使われる音楽室とは別に専用の音楽ホールがあり、施設面も公立校ながら充実。定期演奏会に向けた練習の音色を聞いただけでも、普段クラシックなどまったく聞かない素人ながら思わず圧倒された。

 高校野球界でも“美爆音”として人気の高いハーモニーの秘密はどこにあるのか。伝統に裏付けされた技術の高さ、猛練習による一体感-。昨年度、部長として引っ張ってきた斎藤俊太さんの答えは意外にもシンプルなものだった。

 「野球応援については基本的には気持ちでやっているので。技術面では特に関係はないですね。野球部さんが頑張ってくれた分、私たちも頑張らなくちゃというのはあるので。とにかく野球部さんのため」。

 旧エースの古谷拓郎(ロッテ)とは、クラスメートだった。1クラスあたりを見ても、野球部と吹奏楽部の割合は多くを占めるという。顧問の海老沢博さんも「同じ学校にいる人を一生懸命に応援するというのは、いい効果しかないですよね。だから、全員応援でこだわって」と歓迎。身近な存在が頑張る姿を目の当たりにしながら応援するからこそ、美しい響きが球場にこだまする。

 吹奏楽部の思いは、ナインにもしっかり届いている。主将の1人・竹縄俊希外野手(3年)は「あそこまで音量が大きいと、やっぱり自分たちですら圧倒される場面とかありますよね(笑)。本当に勝ってほしいという思いが伝わってくる」と感謝した。

 昨年6月にはロッテの応援団とのコラボが初めて実現した。企画は今年も実施が決まるほどの好評。「プロ野球の応援の流れがけっこうよい部分がたくさんあったので、そこを高校野球で生かせたらいいな」と斎藤さんが目を輝かせたように、部員は刺激を受けた。

 甲子園出場は2011年夏以来で、吹奏楽部にとっても約8年ぶりの“ステージ”だ。3月いっぱいまで在籍扱いとするため、第2日第1試合に決まった日章学園(宮崎)との初戦には斎藤さんら卒業を迎えたメンバーも参戦予定。最高の“援護射撃”で、選手を後押しする。(デイリースポーツ・佐藤敬久)

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