【野球】巨人 併用の捕手陣に相乗効果 原監督の狙いがズバリ的中

 今季、攻撃面でリーグトップクラスの破壊力を見せている原巨人。坂本勇、丸、岡本を中心にした打線は、他球団にとっても脅威だろう。そんな中で開幕前から気になっていたのが“捕手問題”。現状では正捕手を固定せずに、原監督は併用して様子を見ているように感じる。

 象徴的だったのが19日からの阪神3連戦(甲子園)。菅野が先発した初戦にマスクをかぶった小林はプロ初の4安打をマークし、攻守で躍動した。課題の打撃に磨きをかけることを心がけてきた背番号22。原監督から熱血指導も受けており「キャンプから監督に教えてもらっている」と、感謝の気持ちを表した。

 20日の第2戦でスタメン出場した炭谷は先発・ヤングマン、守護神・クックを好リードして今季チーム初の完封勝利を演出した。21日の第3戦にスタメンマスクをかぶった大城は、三回に阪神の快足新人・近本の二盗を阻止する強肩を披露し、存在感を示した。小林、炭谷、大城と3人の捕手を併用した3連戦で3連勝。起用がズバリとはまった。

 小林は23日のヤクルト戦でも4安打3打点と大暴れ。相乗効果で、チームに勢いが生まれている。

 原監督の熟練の采配とも言えるだろう。3連覇を成し遂げた原監督の第2次政権時には、阿部慎之助という正捕手がいた。主砲で、主将も務めていた阿部について当時の指揮官は、ことあるごとに「(巨人は)慎之助のチーム」と表現してきた。4年ぶりに指揮を執る今季。前政権時代の阿部のように絶対的な存在感を示す捕手はいない。だからこそ適材適所、状況に応じた捕手起用になっているのだろう。

 本来は、正捕手を固定して1年間を通して戦うことが理想。シーズン序盤の現状は小林、炭谷、大城らを併用した上での“お試し期間”と見た。捕手陣に緊張感を与え、切磋琢磨(せっさたくま)させたい狙いもあるはず。成長し、結果を残し続けた選手を終盤に正捕手として起用する可能性もあると感じた。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

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