【スポーツ】渡辺雄太、強い使命感を胸にNBA2年目に挑戦
米バスケットボールNBAで日本人2人目のプレーヤーとなったグリズリーズの渡辺雄太(24)。シーズンを終えて帰国し、4月24日には故郷・香川県に凱旋。香川県知事や高松市長を表敬訪問し、報道陣の取材に対応するなど慌ただしい日々が続いたが、「いつ見てものどかな風景で心が落ち着く。香川のうどんはやっぱりおいしい」と、約9カ月ぶりの地元でリフレッシュできたようだ。
尽誠学園卒業後に渡米してジョージ・ワシントン大に進学。バスケットの本場で経験を重ね、昨年10月27日のサンズ戦でNBAデビューを果たした。大きな夢をかなえて香川に帰ってきた渡辺は、ここまでの険しい道のりを振り返り、こう熱く語る。
「僕は小さいときからNBAの夢を持ってやってきたけど、年齢を重ねるごとにNBA選手になりたいという夢を口にする人が少なくなって、周りからはそんな大きな夢を持ってどうするんだと、ばかにされることもあった。僕のような選手がアメリカで活躍して、NBAで通用することによって、子供たちが『NBA選手になりたい』といつでも口にできるようにしたい。そういう環境をつくってあげるのが今の僕の仕事だと思っています」
そんな強い使命感を胸にNBAで15試合に出場。1試合平均2・6得点、2・1リバウンドという成績には「満足度は1割か2割程度。達成感もないし、もっと成長しないといけないと感じた」と厳しく自己評価した。
グリズリーズとは、下部リーグでプレーしながら最大45日間、NBAに出場できる「2way(ツーウェイ)契約」を結んでいる。2年契約のため、来季も限られた出場機会の中でアピールを続けることになるという。
日本代表としては今年はW杯、来年は東京五輪が待っている。
「東京五輪は日本でやれる数少ないチャンス。NBA選手として日本代表に帰って来て、世界のスーパースターを相手に真っ向勝負ができればと思います」
故郷でつかの間のオフを過ごし、再び渡米して6日から来季に向けた練習を開始する。「アメリカ人と渡り合える体をつくって、もっとシュート力も上げないといけない。ツーウェイ契約を本契約にしてもらい、より多くの試合に出て活躍するというのが一番近い目標です」。しっかりと足元を見つめ、NBA2年目のシーズンに挑む。(デイリースポーツ・浜村博文)