【芸能】「ポツンと一軒家」視聴率堅調のワケは非ネット層からの支持広がり?

 テレビ朝日系バラエティー「ポツンと一軒家」(日曜、後7・58)がレギュラー化から半年を経て、人気を確固たるものにしている。関東地区、関西地区ともにレギュラー化以降2桁視聴率継続中。関東は4月7日の放送で番組最高となる17・6%を記録し、関西は同21日の19・6%が最高と、20%の大台に迫る勢いだ。

 番組内容は、日本の人里離れた場所にポツンと存在する一軒家を、衛星写真を手がかりに調査するというもの。どんな人がどんな理由で暮らしているのか、地元の人からの情報を元に一軒家を訪ねる。道中の映像はのどかで美しく、そこに住む人が持つ人生も映し出す。タレント・所ジョージと予備校講師・林修氏のゆったりしたMCが日本の原風景のような田舎へ誘う。

 記者は関西のある地方出身だが、2月に法事のため実家に親族一同が集まった際、皆が「ポツンと-」の話題で持ちきりになっていて驚いた。「山の中で、どうやって生活しているのかを知ると面白い」「自分の家よりも田舎にある家の暮らしぶりに興味がある」という。その親族のほとんどが田舎の一軒家に住み、家族で農業や林業に従事している。ほぼ「ポツンと一軒家」のような生活を送り、スマートフォンなど持たない70代以上の老夫婦たちが、テレビの中の風景と自分たちの生活を見比べるようにして楽しんでいる。

 制作のABCテレビは「放送スタート当初は全体的に年配の視聴者が多めだったが、回を追うごとに若い方にも見ていただけている」と分析している。昨年10月のスタート当初の平均視聴率は東西とも10%台前半だったが、今年に入ってからは10%台後半を維持。視聴者層の広がりが反映された数字とも受け取れる。

 平成時代、テレビ放送は大きな波をくぐった。バブル期はテレビが娯楽の中心だったが、21世紀以降はYouTubeやインターネット番組に娯楽を求める人が増えた。しかし、老若問わずネットに娯楽を求めない層が存在するのも事実だ。バラエティー番組も、近年はお笑いだけでなく“医学”“脳トレ”“社会ニュース解説”など、多様な視聴者層を意識したような内容が増えている。「ポツンと-」のように、日本人の生活を見つめ直す番組が支持されるのもうなずける。

 令和時代は高齢化社会がさらに進む。娯楽の様態も変化しそうだ。テレビ番組は、時代とともにどう変化していくだろうか。

 「ポツンと-」の視聴率は以下の通り。

2018年10月7日  14・0%(関東)13・6%(関西)※2時間半SP

     10月14日 11・8%(関東)10・8%(関西)

     10月21日 12・8%(関東)10・9%(関西)

     10月28日 13・7%(関東)12・0%(関西)

     11月04日 14・4%(関東)13・2%(関西)

     11月11日 15・4%(関東)16・8%(関西)※2時間半SP

     11月25日 15・0%(関東)13・8%(関西)

     12月09日 14・1%(関東)12・1%(関西)

     12月16日 14・8%(関東)13・6%(関西)

  19年1月06日  15・4%(関東)15・8%(関西)※2時間半SP

     1月20日  14・2%(関東)15・9%(関西)

     1月27日  14・9%(関東)16・3%(関西)

     2月3日   13・8%(関東)15・3%(関西)

     2月10日  15・2%(関東)14・3%(関西)

     2月24日  16・4%(関東)16・8%(関西)

     3月3日   15・9%(関東)19・1%(関西)

     3月10日  17・0%(関東)17・3%(関西)

     3月24日  16・1%(関東)16・4%(関西)

     3月31日  16・8%(関東)16・4%(関西)※2時間半SP

     4月7日   17・6%(関東)14・2%(関西)

     4月14日  16・6%(関東)16・3%(関西)

     4月21日  17・2%(関東)19・6%(関西)

※SP回は午後7時以降の視聴率記載。ビデオリサーチ日報調べ。(デイリースポーツ・中野裕美子)

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