【野球】広島ドラ2島内、課題克服へ挑む日々 スライダーを改良中
広島ドラフト2位の島内颯太郎投手(22)=九州共立大=がスライダーの精度向上に取り組んでいる。プロ1年目は春季キャンプ、オープン戦と好投を続け、開幕1軍切符をゲット。セットアッパーとして期待されたが、結果を残せず4月8日に登録抹消となった。ファームでは課題克服に励み、早期の1軍返り咲きを狙っている。
9日に大野練習場で行われた2軍練習。ブルペン入りした島内は宮島を望む屋外ブルペンで黙々と腕を振っていた。雨が降り始め、屋内ブルペンに場所を移したが、右腕の目つきは鋭いまま。菊地原2軍投手コーチの助言を受け、心地いいミット音を響かせた。
「まだまだスピードが出て、曲がりすぎるところがある。曲げにいってしまうこともあるんですけど、最初よりはカウントを取りやすくなってきました」
2軍に降格してからスライダーをマイナーチェンジした。これまでは「曲がる前に浮いていた」というが、「真っすぐと似た軌道」から変化するように微調整。カットボールのような小さな変化が理想だ。菊地原コーチも「曲がりを小さくと取り組んでいる。真っすぐは素晴らしいからそれを生かすカウント球があれば幅も広がる」とうなずいた。
4日のウエスタン・阪神戦(鳴尾浜)では1点ビハインドの七回から登板。1イニング目は2三振を奪い三者凡退に抑えたが、2イニング目に失点した。先頭打者の安打からピンチを広げ、決勝点を献上。「ランナーを出した時の投球と複数イニングが課題」と菊地原コーチが言うように、実戦の中で克服に励んでいる。
シーズン開幕までは順調だった。キャンプ、オープン戦と好投を続け、開幕1軍メンバー入り。若きセットアッパーとして期待は高まっていた。開幕戦では大学の先輩・大瀬良と巨人・菅野の投げ合いを目に焼き付けた。「あれだけのコントロールがあって、第一戦で活躍できるんだと思った」。目を輝かせて飛躍を誓ったが、プロ初登板した3月30日・巨人戦(マツダ)で未熟さを露呈。結局、4試合で防御率9・64と本来の力を発揮できず、2軍降格となった。
島内は「自分の中で余裕を持って投球できるようにしたい。少しでも早く1軍に上がって2軍に落ちないようにしたいです」と力を込める。150キロ超の直球、フォーク、チェンジアップには自信を持つ。もう一つの武器を手に入れて、1軍の舞台に舞い戻る。(デイリースポーツ・杉原史恭)