【野球】広島 一発攻勢で勢い加速 本塁打量産の要因は…
自力優勝消滅危機に陥っていたカープが、またも驚異のV字回復を示した。交流戦明けは20年ぶりの11連敗を記録。7月17日時点で今季最大の借金6を抱え、首位巨人に12ゲームも離された。リーグ4連覇へ黄色信号がともっていたが、今季2度目の9連勝で5ゲーム差まで接近した。
前半戦総括の会見で緒方監督が明言したように後半戦から「1番西川、2番菊池涼、3番バティスタ、4番鈴木、5番松山」までの打順を固定。主力が調子を上げると同時に、指揮官待望の新戦力も出現した。楽天からトレードで加入した三好は左腕先発時のスタメンを勝ち取り、1軍再昇格したドラフト1位小園もめざましい成長を見せている。
得点源となっているは一発だ。9連勝中は9試合連続19本塁打。11連敗中(1分けを含む)は12試合で5本塁打にどどまっただけに驚きのハイペースだ。会沢が連敗を止める劇的な逆転弾を放てば、西川は3本の先頭打者アーチをマーク。バティスタは5本塁打と量産体制に突入。安部もサヨナラ本塁打を放ち、三好、小園にもメモリアル弾が生まれた。
【9連勝中の本塁打の内訳】
西川 3本
菊池涼 1本
バティスタ 5本
鈴木 2本
安部 2本
会沢 1本
三好 2本
小園 2本
野間 1本
連敗地獄の重圧から解放されたような一発攻勢に高ヘッドコーチは「みんないいポイントで打ってるよね。狙って打てるものじゃないけどね」と解説。東出打撃コーチは「暑くなってきたというのもあるんじゃないかな。力みが取れてしっかり振れている」と分析。梅雨時期に訪れた連敗中は不調や故障者が相次ぎ、ムードも「ドヨーンとしていた」と東出コーチは言う。真夏を迎え「打順をしっかり決めて調子が上がってきた」と満足顔だ。
30日から再び首位巨人と激突する。舞台は本塁打が出やすいと言われる東京ドームだ。(デイリースポーツ・杉原史恭)