【野球】野球界の“金の卵”侍U12がW杯で奮闘 稲葉監督も注目
仁志敏久監督率いる侍ジャパンU-12が快進撃を見せている。台湾・台南で行われている「第5回WBSC U-12ワールドカップ」。日本はフィジー戦で30-0と圧勝するなど、オープニングラウンドを5戦全勝で、スーパーラウンドへの進出を決めた。
一昨年の前回大会は4位。世界一を目指す少年たちに、トップチームの稲葉篤紀監督も熱視線を送る。台湾への出発前、都内の宿舎を訪れた指揮官。ナインに熱い口調で語りかけた。「いろんな国の選手を見ながら、自分のレベルアップを図れる。成長する大事な期間。見て、感じて成長につなげてほしい」。稲葉監督の登場を知らされていなかったメンバーは、大会直前のサプライズ演出に目を輝かせた。
常々、野球人口の減少を気に懸けている稲葉監督。「ジャパンが出る大会は注目されるし、子どもたちも見てくれると思う。ジャパンが勝つと盛り上がってくれますし、それを見て、子どもたちがそこで野球をやってみたいというね」と侍ジャパンの存在が野球振興につながる可能性を口にする。だからこそ、世代が違えど、同じユニホームを着て、世界と戦う子どもたちを前にした言葉にも熱が帯びた。
自身の少年時代は「全国から(メンバーが)集まる大会もなかった」とし「(憧れの選手だった)田尾(安志)さんのお尻を振る構えを、よくマネしたりしてましたね」と、当時を述懐。時代が進み、世界を肌で感じられる機会を得たナインに「ぜひ、この中から1人でもプロ野球選手が出てほしいと思いますね」と期待を寄せた。この経験が、少年たちにとって、未来への礎となることを信じている。(デイリースポーツ・野畑圭司)