【野球】楽天・平石監督、リーグ屈指の救援陣に逆転V託す「4、5連投行ける準備を」
首位・ソフトバンクと2位・西武が肉薄し、優勝を争いが熱を帯びているパ・リーグ。だが、追走の準備を整え、虎視眈々(たんたん)と上位をうかがっている存在が、首位と4・5差の3位に付けている楽天だ。
西武の超強力打線に比べると派手さはないが、楽天が誇るストロングポイントが救援陣。守護神・松井を中心に青山、ハーマン、ブセニッツ、宋家豪、森原の安定感はリーグ屈指と言える。そして残り20試合となり、ここで指揮官が満を持して勝負に出る構えだ。
平石洋介監督は「しっかりとコンディションをチェックして」とした上で、この先の戦いで「4連投、5連投でも行ける準備をする」と話す。残り20試合でのスパート。どこのチームでもある話に感じるが、楽天には長い我慢の時があった。
開幕から故障で岸、則本昂の両輪を欠き、序盤から救援陣はフル回転を強いられた。その中で救援陣の負担を減らす配慮は取られたが、それでも梅雨の時期を迎えるころには疲労の色が出始めていた。
「こちらが絶対にぶれないこと。使いたい試合もあるが、我慢してシーズン最後までもたせたい」とは伊藤投手チーフコーチ。7月以降、さらに救援陣のコンディション維持に首脳陣は心を砕いた。
守護神・松井に対しては、後半戦初戦から2試合で休養を与えた。そのほかの救援陣に対しても、基本的には3連投(移動日を挟んだ場合をのぞく)がないように起用。8月は9度の延長戦を戦った中で、そして勝率5割付近をさまようチーム状況で、制限がある中での起用法は簡単ではなかったはずだ。
だが、効果は表れた。松井は「あの2日間の休みが大きかった。そこから球も戻ってきた」と振り返り、セットアッパーに定着した森原は「首脳陣が3連投をしないなどの起用をしてくれて、今季はずっと良い状態を保っている。行けと言われれば何連投でもできますよ」と説明した。
後半戦以降、勝ちパターンとされる救援投手は防御率1・30(2日現在)。圧倒的な安定感とともに、シーズン最終盤への“末脚”を作ることにも成功した。ソフトバンク、西武と計13試合を残す楽天。パ・リーグの優勝争いは、さらに過熱しそうな気配だ。(デイリースポーツ・中田康博)