【スポーツ】対照的なキャリア歩んだ2人…京口紘人と久田哲也が10・1世界戦
注目の大阪決戦が迫ってきた。10月1日、エディオンアリーナ大阪でWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(25)=ワタナベ=に同級1位の久田哲也(34)=ハラダ=が挑む。
ともに大阪府出身だが、2人が歩んできたキャリアは対照的だ。京口はプロデビューから1年3カ月という国内最速記録でIBF世界ミニマム級王者を獲得。一方の久田は03年11月のプロデビューから15年11カ月の歳月をかけて世界戦にたどり着いた。プロ46戦目での世界初挑戦は平成以降の日本ジム所属選手では最遅記録となる。
世界王者として初めて地元大阪のリングに立つ京口は「プロになった時から、大阪で凱旋防衛戦をしたいというのが目標の一つだった。キャリアのある選手と闘えるのはうれしい。引導を渡すつもりで倒したい」と気合をにじませ、久田は「やっとここまで来れた。30歳を超えて『あきらめろ』と何度も言われたが、踏ん張って世界の舞台に立つことができた」と言葉に実感を込めた。
23日には久田が公開練習を行った。エディオンアリーナ大阪第2競技場で行われた真正ジムの主催興行に組み込まれる異例の形で2ラウンドのスパーリングを実施。約800人の観客の前で軽快な動きを披露し、「試合と同じくらい集中できた。いいリハーサルになった」と臨戦態勢を整えた。
久田には力強い後押しもある。大阪市内でデザイン会社を経営する兄祐輝さん(38)が世界戦に向けたTシャツを作成。前面に大きく「GET THE GLORY」の文字があしらわれた。チケットの売り上げも順調で、久田は日本タイトル戦の2・5倍近くとなる約600枚を自ら売ったという。
大商大ボクシング部で主将を務め、大学3年時には国体優勝も飾るなどアマチュア経験豊富な京口に対して、19歳でプロデビューした久田はアマ経験のないたたき上げ。どこまでも対照的な2人のボクシング人生がリング上で交錯する。(デイリースポーツ・山本直弘)