【野球】“気配りの人”佐々岡監督が広島にもたらす一体感
新生佐々岡カープが秋季キャンプから本格的にスタートした。紅白戦は最大8試合を実施予定。来春のキャンプへ向けて、若手選手の見極め、現有戦力の底上げを図っている。
第1クールを終えて佐々岡監督が「雰囲気も良くいい練習ができている」と振り返ったように、厳しい練習の中に明るさがあった。若手選手とも積極的にコミュニケーションを図り、次世代のクリーンアップ候補と期待される林は「頑張れと言ってもらいました」と恐縮。新人時代から指導を受ける大卒2年目のケムナも「佐々岡監督は声をかけてくださるので、すごくやりやすい。楽しいし、自然と声も出ます」とにっこり。グラウンドは活気にあふれ、監督就任以来掲げる「一体感」が生まれている。
新指揮官はファンサービスにも積極的だ。初日、球場からブルペンへ向かう途中、男性ファンから「サインお願いします!」と頼まれると「後でな」とぽつり。ブルペン視察後、約束通りその場所に戻り、即席サイン会を開催。日南まで駆けつけた鯉党を喜ばせた。
日南の人々への感謝も忘れない。2日目、ある居酒屋で地鶏を食べていると、私服姿の佐々岡監督が現れた。監督は席に着かず店主へ紙袋をプレゼント。球団関係者に聞けば、以前から日南を訪れた際はなじみの店などへ、手土産を配っているという。10月中旬、みやざきフェニックス・リーグを視察した時も配って回った聞いて、二重で驚かされた。
佐々岡監督は就任会見で「現役の時は好かれる選手になろうと思っていたので、みんなから好かれるようにやりたい」と話した。座右の銘は「感謝」-。決して派手なタイプではないが、さりげない心遣いに新監督の人柄がにじみ出ている。(デイリースポーツ・杉原史恭)