【スポーツ】「自分の良さ」を…リオ五輪バスケ代表・三好南穂が3人制で狙う東京五輪
自国開催の東京五輪で、そのコートに立つことすらできないかもしれない。そんなピンチに立たされているのが、新種目であるバスケットボール3人制の女子日本代表だ。
3月に一度は男女とも開催国枠が認められたが、国際バスケットボール連盟(FIBA)と国際オリンピック委員会(IOC)の協議の結果、10月に同枠での出場は男女どちらかランキング上位のみと決定。11月1日時点での世界ランクが上位だった男子に開催国枠が付与された。東京五輪に出られるのは男女各8チーム。日本女子代表は、来年3月にインドで開催される五輪予選で出場権獲得を目指す。
リーグ中断期間を利用して11月5日から7日まで行われた3人制女子代表合宿では、候補選手らにその経緯の説明がなされたという。
「それまでずっと出られるって思い込んでいたので…。正直に言うとショックです」。代表候補に名を連ねる三好南穂(25)=トヨタ自動車=は、そう素直に思いを語った。「でも、下を向いていても仕方ない。最終予選をどう勝って行くかを考えようと、前向きな気持ちに変わっています」。
三好は16年リオ五輪に5人制代表として出場。PG3番手という立ち位置だった。出場時間は計5分ほどと限られていたが、フランス戦では武器の3点シュートを決めた。その後の合宿などでも、女子5人制を率いるトム・ホーバスHCの口からは、何度もその名前が登場している。しかし「自分の良さを一番生かせるのは3人制なのかなと思う。代表は3人制で狙いたい」と、今はこの新種目に対して強い思いで臨んでいる。
5人制ではフィールドゴールが2点、スリーポイントラインより外から放ったシュートは3点だが、3人制では1点と2点。倍の威力を発揮する。三好の高いシュート力は、大きな武器となるのだ。
リオまでは、五輪に出ることはあくまで「夢」だった。その夢がかない、あらためて五輪という舞台の大きさを実感した。「4年に1回しかないし、選手である以上みんなが目指す場所。緊張感や雰囲気が全然違う。あまり試合に出ていない自分でさえも、すごく大きな、バスケット人生においてすごくありがたい経験でした」。だからこそ、次は「五輪で活躍したい」と思うようになったという。
5人制ではなく、より自分の武器が生きる3人制で五輪を目指そうと決断したのは今年の夏のこと。「選ばれる選ばれないは関係なく、チャレンジしてみたい」と心に決めた。
開催国枠は得られなかったが、残るチャンスを全力でつかみに行くことこそ、今すべきこと。代表を率いるトーステン・ロイブル・コーチも「五輪で勝つチームは、厳しい五輪予選を勝ち抜いたチーム」と言う。「自分のスタイルを変えずに戦っていきたい」と三好。リーグ戦の合間に今後も代表合宿を重ねながら、切符の懸かる3月の五輪予選へ備えていく。(デイリースポーツ・國島紗希)