【野球】カープ女子職員・徳澤瞳さん「栄光の新井Tシャツは大好評でした」 大人気のグッズを企画、デザイン
毎年2月1日に新商品が発表されるカープグッズ。ファンの関心も高く、人気商品はあっという間に売り切れる。カープが販売する商品は1年間で約300~400点あり、これらを企画、デザインしているのが同球団の「企画デザイン室」。7人のデザイナーが在籍しており、その一人、入社3年目の徳澤瞳さん(26)に話をうかがった。
徳澤さんは広島県安芸郡府中町出身。大阪芸術大学では家具や文房具など製品のデザインを学んだ。就活でもデザイン会社などを志望。元々、物を作って人にあげるのが好きだったため、物作りに携わりたいという思いから地元のカープ球団にも応募し、2017年4月に入社した。
初めて手掛けた仕事は、マツダスタジアム近くにある結婚式場の前の歩道にイラストを描くことだった。キューピッドのカープ坊やをデザインすると、「かわいい」と評判になった。「花嫁さんがイラストの前で一緒に写真を撮っているのを見たときはうれしかったです。頑張って良かったなと思いました」。今でもそのイラストは見ることができる。
記念Tシャツもデザインする。2018年に新井貴浩氏が引退する時に販売した「栄光の新井Tシャツ」は徳澤さんのデザインだ。「『三振王』『併殺王』など少しディスった感じのTシャツでしたが、新井さんも喜んで着てくださり、一般販売でもとても好評でした。私の中では思い入れのある商品です」
新しいアイデアを求めて海外出張にも行く。去年はニューヨーク、オランダ、ポルトガル。今年も台湾、ロンドン、リトアニアに足を運んだ。現地ではカープグッズのサンプルになりそうな商品を大量に買い込み、気になるものがあれば写真にも収める。これらを日本に持ち帰り、どんどんカープ風にアレンジしていくのだ。
現在は2月1日の新商品発売に向けてサンプル作りの最終段階に入っている。「毎年この時期は切羽詰まっています」。なかなかアイデアが出てこない時は本屋に足を運んだり、海外出張で撮った写真を見返したりしながら、必死にヒントを探す。「いろんな物を見ると、まず赤にすることを考えます。『これが赤くなったらどんな感じになるんだろう』って毎日そんなことばかり考えてますね」。これまで赤いタヌキ、赤い地球儀、赤い綿棒、赤いバナナなどが商品化されている。
「先日、発表された来年のキャッチフレーズ『たった今 このAKAの子 舞いたった』もどんなふうに商品にしていくか頭を悩ませているところです。回文でもあるので、それもうまく取り入れていきたい。すごく難しいんですけど、考えるのは楽しいです」
年内にサンプル商品を完成させると、1月はカタログ作り、さらにショップの展示やポップ作りまで徳澤さんの部署が担当する。「商品を企画、デザインして、実際に売るところまで関わることができるので、とてもやりがいを感じます。これからも皆さんに愛され、喜ばれる商品を作っていきたいです」。来年もきっとユニークなグッズで楽しませてくれるだろう。
(デイリースポーツ・工藤直樹)
◆徳澤瞳(とくざわ・ひとみ) 1993年11月16日生まれ。広島県安芸郡府中町出身。大阪芸術大芸術学部デザイン学科卒。入社前から鯉党で、広瀬選手(現コーチ)のファンだった。しかし、カープに入社した時はすでに引退しており、「広瀬さんのグッズはデザインできませんでした」と残念そう。趣味は音楽鑑賞。ハロプロのJuice=Juiceのファン。