【野球】サンフレサポーターのカープ女子職員!地域担当室の吉中友理絵さん
試合開催日のマツダスタジアムで市町村のPRイベントをご覧になったことはあるだろうか。今季は広島県内を中心に約40市町村が訪れ、特産品の展示や物販を行った。また、安佐動物園や赤い羽根募金などのPRイベントも実施している。これらの団体のサポート業務を行っているのが、広島球団の地域担当室に勤務する吉中友理絵さん(26)だ。
「いつも熱心に応援してくださる地域の皆さんがあってこそのカープでもあります。PRに来られた市町村の方に喜んでもらって『また来年も来たい』と言っていただけるように、そしてファンの方にもその市町村に興味を持ってもらえるように、そのきっかけ作りのお手伝いができたらと思っています」
またカープはサンフレッチェ広島、広島交響楽団とともに「P3 HIROSHIMA」という団体を作り、小学校訪問や試合への招待事業などを行っているが、こちらも吉中さんの担当だ。「サンフレッチェの担当の方とも連絡を取りながら、楽しく仕事しています」と話す表情は、とてもうれしそう。
というのも吉中さん、筋金入りのサンフレサポーターなのだ。大学時代は年間パスを購入してスタジアムに足繁く通い、紫のユニホームに身を包んでスタンドで飛び跳ねていた。カープ入社後もサンフレ熱が冷めることはない。「カープの職員はみんな野球ファンだと思っている人も多いと思いますが、社内には私のようにサッカーが好きな人もいるんですよ」。今年も10試合ほどスタンドで応援。川崎や湘南でのアウェーの試合にも足を運んだ。仙台とのリーグ最終戦は社内旅行で行けなかったが、試合はDAZN(ダゾーン=スポーツ専門の動画配信サービス)でチェックしていたとか。
「そこまでサンフレが好きなのに、なぜカープ?」と疑問に思う人もいるだろう。吉中さんも最初はサンフレへの就職を希望していた。しかし、大学2年の夏にサンフレのインターンシップ(就業体験)に参加した際、職員は業務のため試合をほとんど見られないことが判明。「私には絶対無理!」と入社はあきらめた。
ただ、大学ではサンフレ入社に備えてスポーツ経営学を専攻していたため、それを生かせる仕事としてカープ球団に応募。面接で「休みの日は何をしていますか」と聞かれ、正直に「サッカーを見てます」と答えたが、内定をもらい、今年で入社4年目を迎えた。
入社するまでほとんど野球を見たことがなかったため、最初は試合を見るのが苦痛で五回が限界だったが、「今は九回まで飽きずに見られるようなりました」と笑顔。カープの歴史を学び、原爆投下の悲劇に見舞われた広島の人にとって、いかにカープが大きな存在であるかも知った。
「毎日、とてもやりがいを感じます。この仕事のおかげで地方の名産品やご当地キャラクターには異常に詳しくなりました。これからも皆さんに喜んでもらえるイベントをいろいろ企画していきたいです」。地域担当室のほかにもファンサービス部、試合運営部を兼務し、プロジェクト室イベント企画チームにも名前を連ねる吉中さん。目の回るような忙しい毎日だが、それでもサンフレのサポーターだけはやめるつもりはないそうだ。(デイリースポーツ・工藤直樹)
吉中友理絵(よしなか・ゆりえ)1993年6月21日生まれ。呉市出身。呉宮原高時代はサッカー部のマネジャーを務める。広経大では経済学部スポーツ経営学科に在籍。16年4月にカープ入社。地域担当室のほかに、ファンクラブに関する業務などにも携わる。サンフレではMF松本泰志選手、カープでは遠藤淳志投手がイチ押し。