【野球】大人にも刺さるイチロー氏のメッセージ 小学生に伝えてきた珠玉の言葉

 3月に現役を引退したイチロー氏(46)が22日、小学生たちに熱いメッセージを残して自身の名前が付いた野球大会「イチロー杯学童軟式野球大会」の幕を下ろした。

 オリックス時代の96年にスタートし、24回を数えた大会では、毎年イチロー氏が閉会式に出席して子どもたちにメッセージを伝えるのが恒例だった。

 小学生に向けた話だけに、難解な言葉を避け、分かりやすい表現を意識していたイチロー氏だが、発せられた数々のメッセージは大人の心にも刺さってくる。逆境にあった時の素直な胸の内、諦めない気持ち…。イチロー氏が発した過去10年の珠玉の名言をお届けする。

 ◆    ◆

 ▽2010年(メジャーで10年連続200安打を達成して)

 「僕が来年、どんな成績を残せるか分かりませんが、野球の楽しさ、難しさ、奥深さを伝えられるよう頑張ります」

 「小学、中学、高校と野球をやり、プロ野球選手になっても、メジャーでプレーしていることは想像できなかった。でも、今こうしてやっている。難しいかなと思ったことも頑張れば達成できる」

 ▽2011年(大会出身者で優勝経験のある田島選手の中日ドラフト指名を喜び)

 「この秋のドラフトで、イチロー杯で活躍した田島慎二選手が、中日ドラゴンズから指名されました。みんな出発点は同じです。みんなの将来が力強い未来であることを願います」

 ▽2012年(今季球宴初出場を果たした田島投手を迎えて)

 「田島選手が入団1年目からオールスターに出場するということは、1つの僕の大きな夢をかなえてくれました」

 「人前で話すことがいかに難しいか感じてもらいながらスピーチしてもらいます」

 ▽2013年(日米通算4000安打を達成し)

 「とても苦しいシーズン。いい結果ばかりに目が行きがちだが、倍以上の失敗がある。相手に負けて抱いた悔しい思いが今の僕を支えている」

 ▽2014年(我慢の大切さを説いて)

 「僕もシーズンを振り返ると、その言葉が真っ先に頭に浮かんでくる。大人になると我慢の連続。自分の気持ちを抑えて未来へ向かっていく。これしか方法がないと言ってもいい」

 ▽2015年(メジャー3000安打にあと65安打、500盗塁にあと2でシーズンを終えた)

 「とにかく、ここに来ると、みんなの目がキラッキラしてる。大人になるとキラキラが薄れてギラギラしてくる。キラキラしている表情、空気はとっても大切だと感じて、この瞬間をぜひ記憶しておいてほしい」

 「僕には来季、大きな目標がある。みんなのことを思いながらプレーしたい」

 ▽2016年(メジャー3000安打を達成して)

 「今年はメジャー3000安打を達成できた。自分の限界を超えて少し頑張る。それを重ねてきたと実感している」

 「イチローは人の2倍、3倍頑張っているという人が結構いる。人との比較じゃなく、自分の中でもうちょっと頑張ってみる。そのことを続けると思ってもみなかった自分になる」

 ▽2017年(所属先が決まらない状態で閉会式に出席して)

 「アメリカっていうのは44歳っていうのがひっかかるらしいのね。仕事の面接とかでは年齢は聞けないんだけど、年齢的に44歳のおじさんはどーなのっていうのがね」

 「(自分は)ペットショップに売れ残った大きな犬みたいな感じ。元気なんだけど、元気だと見せる機会もない」

 ▽2018年(5月にフロントの一員に肩書が変わり、その後試合に出場しないままシーズンを終えた)

 「自分一人で頑張らないといけないことは、すごく力がいるし、難しい」

 「みんなに伝えたいのは、自分ができないと思ったことはできない。必ずできるとは限らないけれど、できないと思ったら絶対にできない」

 「45歳で選手でいることは1日1日がすごく大事、遠くにあることより、目の前のこと一つ一つを大事にしたい」

 ▽2019年(現役引退を理由に大会を終えるにあたって)

 「自分自身で自分を鍛えてほしい。厳しく教えるのが難しい時代にだれが教育するのか。最終的には自分が教育しなければならない時代に入ってきたと思う」

 「僕は28の年にアメリカに渡って大リーグに挑戦した。外に出て初めて分かること、調べれば分かることでも、行ってみて初めて分かることはたくさんある。外に出て気付くこと、勉強することはたくさんある。価値観が変わるような出来事を体験してほしい」

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