【野球】巨人原監督、球界改革案の狙い「高校野球も指名打者制にすれば…」
巨人・原辰徳監督は今年、さまざまな球界改革案を提案してきた。中でもシーズン終了後にはセ・リーグのDH制導入を訴えた。
日本シリーズ4連敗直後の発言。DH制がないことを敗因にしていると捉えた人もいたようだが、野球人気回復や野球人口増につながることをしようという願いがあふれ出たものと解釈している。
今年1年、球界の繁栄につながる行動も行ってきた。オフの沖縄での野球教室では子どもたちに野球のレベル向上よりも楽しさを伝えていた。「プロ野球が未来永劫(えいごう)という点では、子どもたちの力がいかに大事か、よく分かってるよ。野球というのは楽しいものですよ」と熱く語った。
今後、日本が人口減少、少子化に直面していくことは原監督も重々承知している。人口が先細りになっていくなかで、野球人口を減らさないために、何をすべきか。原監督はセのDH制導入が波及し、少年野球も含めた日本球界全体がDH制で野球を行うことを期待している。
ラグビーW杯の時にこんなことを語っていた。「ラグビーってその子の適したポジションがそれぞれあるよね。高校野球も指名打者制にすればやる子が増えるよ。活躍の場、レギュラーポジションを増やすことはとても大事だと思う」。ラグビーの場合、大柄な選手はフォワード、小柄な選手はスクラムハーフ、体が細くても俊足の選手はバックスに回るなど適したポジションがある。ところが野球少年は、バッティングがよくてもある程度の肩の強さと足の速さがないと試合に出られない場合もある。一芸に秀でても、3拍子そろわなければ、ポジションをもらえない。野球のポジションを9から10に増やすことの貴重さを、シーズン中から話していた。
東京五輪の野球はDH制で行われる。「プロ野球が発展するためには子どもたちは宝ですよ」。セもDH制にすることで、アマ球界もDH制になる機運を高められたら。子どもたちが途中で辞めることなく、野球を続けてくれたら。そんな思いを強く持っている。(デイリースポーツ・水足丈夫)