【サッカー】負けられない初戦で負けたU23 リオ初戦黒星は100%1次L敗退
サッカー男子の東京五輪アジア最終予選を兼ねたU-23(23歳以下)アジア選手権は9日、バンコク近郊で行われ、1次リーグB組の日本はサウジアラビアに1-2で敗れた。1点を先制された日本は後半11分MF食野亮太郎(21)=ハーツ=のゴールで一時は同点としたが、終盤にミスから献上したPKで失点した。今大会は東京五輪アジア最終予選を兼ねている。日本は開催国枠での五輪出場権が決まっている。
“絶対に負けられない”初戦で負けた。4チーム総当たりのリーグ戦で初戦を落とすことは、取り返しのつかない致命傷となる。
16年リオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねた4年前の同大会では、初戦に敗れた7チーム中6チームが1次リーグで敗退し、五輪出場権を逃した。さらに五輪本大会でも初戦に敗れた4チームは1次リーグで全滅。南米王者として乗り込んだアルゼンチンも例外ではなかった。五輪世代ではないが、18年W杯ロシア大会では初戦で負けた13チーム中12チームが1次リーグで姿を消している。
引き分けによる1点でも、初戦で勝ち点を得ることは、それほど重要だと過去は示している。もし五輪出場権が懸かっていたら、もし金メダルを目標に掲げる東京五輪本番だったら、日本はいきなり窮地に追い込まれたことになる。森保監督は試合後の会見で「十分勝てるだけの内容を見せてくれた」と選手を労ったが、選手自身も理解しているように、問われるべきは「内容」よりも勝ち点という「結果」だった。
24年ぶりの五輪出場が懸かるサウジアラビアは試合前、チーム全体で円陣を組んだ。掛け声は観客もまばらなスタジアムに響き渡った。勝ち越しPKが決まった瞬間、祈るように芝生に突っ伏した選手もいた。両チームとも勝利を目指したことに疑いはないが、初戦に懸ける“温度差”は感じざるを得なかった。主将を務めたDF渡辺は「相手の方が気持ちの面で絶対に勝ちたいと思ってやっていたのは間違いない」と認めた。
あらためて思い知った初戦の難しさ、厳しさ。東京五輪本番で繰り返してはならない。(デイリースポーツ・山本直弘)