【野球】センバツ出場の広島新庄 躍進のカギ握る“投手3人衆”
第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕・甲子園)に広島新庄が出場する。センバツ出場は2014年以来6年ぶり2度目。“3枚看板”の強力投手陣を武器に、守り勝つ野球で一戦必勝を誓う。秋田駿樹投手(2年)と秋山恭平投手(1年)のダブル左腕、そして野手兼控え投手の花田侑樹投手(1年)にスポットを当てた。
【秋田駿樹投手】
秋季県大会でエースナンバーを背負ってチームを優勝に導いたが、中国大会は左肩に違和感を訴え、登板機会はなかった。「投げたかったけど、自分が投げるとチームに迷惑がかかるので」と、ベンチから後輩の秋山の力投を見守った。
「1年生なのに先発して長いイニングを投げ切るのはすごい。メンタルが半端ない」と秋山の力を認めながらも、このまま控え投手に甘んじるつもりはない。1月から投球練習を再開し、走り込みも増やすなど甲子園のマウンドを見据える。
持ち球は最速140キロの直球とカーブの2つしかない。「セールスポイント?う~ん、特にないですね」と苦笑いするが、「いつでもストライクを取れる球を投げられるように」と、制球力を重視した投球を心掛ける。
岡山県浅口市出身。甲子園出場を目指して広島新庄に野球留学した。「夢がかなってとても楽しみ。独り相撲にならないように野手を信じて打たせて取る投球をしたい。1戦1戦勝っていきたい」。見かけはクールだが、内には熱い闘志を秘めている。
【秋山恭平投手】
身長170センチの1年生左腕もエースの座を虎視眈々(たんたん)と狙っている。球速こそMAX137キロだが「春までには140キロが目標」と球速アップを目指している。
キレのある球と内外角に投げ分ける制球力が武器。カーブやスライダーなど多様な変化球を持ち合わせながら、直球で三振を奪えるところが強みだ。
福岡県出身で、中学時代にはU-15日本代表に選出。先発した南アフリカ戦では3回10奪三振という珍しい記録を樹立した。「あんまり緊張せず、平常心でいられることや余裕を持って投げられることはできると思います」と強心臓の持ち主。世界を経験した強さが安定した投球へとつながっている。
背番号10で臨んだ中国大会では3試合に先発し、全て完投した。迫田守昭監督は「コントロールなど試合を作る上では秋山の方が上」と信頼を寄せる。元ソフトバンク、巨人の杉内投手を理想としており、投球フォームも参考にしている。
約1カ月後に迫った夢舞台。「しっかりと体を作って恥ずかしくない投球ができるように準備していきたい。持ち味を出して一つでも多く勝ちたい」と一戦必勝を誓った。
【花田侑樹投手】
球のキレと制球力が持ち味の1年生右腕もダブル左腕に割って入る構えだ。一塁手としての出場が多いが、「投手として出たい」と強いこだわりを示す。180センチの長身から繰り出す140キロの速球が武器。迫田監督も「これから力をつけてくると思う」と今後の成長を期待する。左腕の印象が強い広島新庄だが、「右でもいけるぞということを証明したい」と意欲に燃える。打撃センスもあり、投打で鍵を握る存在だ。