第９２回選抜高校野球大会（３月１９日開幕・甲子園）の開幕まであと１カ月となった。１月２４日に開かれた選考委員会で出場３２校が決定。毎年注目を集める２１世紀枠では帯広農（北海道）、磐城（福島）、平田（島根）といずれも公立の３校が選出された。中でも話題を呼んだのが帯広農だ。昨年のセンバツに出場した石岡一（茨城）に続いて２年連続で農業高校が２１世紀枠で春切符。１８年夏の甲子園で吉田輝星（現日本ハム）擁して準優勝に輝いた金足農（秋田）のような旋風を巻き起こせるか期待が懸かる。

　一気に注目校となったのは他にも理由がある。昨年に放映されて人気となったＮＨＫ連続テレビ小説「なつぞら」でヒロインが通う高校のモデルとなっていた。さらに漫画家の荒川弘氏は同校の卒業生。農業高校が舞台で同氏の人気作品である「銀の匙　Ｓｉｌｖｅｒ　Ｓｐｏｏｎ」のモデルと言われている。

　「なつぞら」と「銀の匙－」。実はちょっとした縁がある。前者の主人公を演じたのは女優の広瀬すず。後者は１４年に映画化され、ヒロインを女優の広瀬アリスが演じた。くしくも広瀬姉妹が帯広農をモチーフとした映像作品へ出演していたことになる。

　広瀬姉妹といえば、年明けに第９８回全国高校サッカー選手権で地元である静岡代表・静岡学園が優勝したことにそろって大喜びしたことがニュースとなった。妹・すずは静岡学園が優勝した翌日のイベントで「（喜びすぎて）自分でも聞いたことない声を出した」とコメント。姉・アリスもＳＮＳに歓喜した様子をアップした。

　高校サッカーに続いて、高校野球の舞台でも広瀬姉妹と縁深いチームの快進撃となるか－。もちろん、園芸などの実習がある中で工夫して練習時間を確保して昨秋の北海道大会４強入りした実力も立派。初の春切符をつかんだ帯広農の、全国での戦いぶりがいまから楽しみだ。（デイリースポーツ・佐藤敬久）