【芸能】半沢直樹がクランクイン 主演・堺雅人も驚くほどの現場の熱量
2013年に放送され、最終回で平成のドラマ史上最高となる平均視聴率42・2%をはじき出したTBS系ドラマ「半沢直樹」(4月スタート、日曜後9・00)のシーズン2が23日、クランクインした。都心で撮影された最初のシーンに挑み、7年ぶりに半沢として帰還した主演の堺雅人(46)を取材。堺が「取り残されそうで、ちょっと慌てました」と驚いたほどの現場の熱量が、伝説の第二章開幕を印象づけた。
本来なら人けのない週末早朝7時のオフィス街が、50人を超えるエキストラで平日昼間と見まがうほど賑わっていた。大通りを挟んだ信号の向こう側まで人を配置する“半沢流”のスケール感は健在。スーツ姿で待機車から登場した堺がスタッフたちにあいさつしながら現場の中央に移動すると、大きな拍手が起こり、当人が「おおっ!」と驚くような仕草を見せた。
あいさつを求められると、やや気おされたように「が、頑張りましょう!!」と現場を鼓舞。撮影ではさすがの貫禄で半沢の帰還をカメラに焼き付けたが、現場入り直後の戸惑っているような姿が気になっていた。
撮影後のコメントが謎を解いてくれた。東京中央銀行の最強バンカー・半沢直樹が、数々の不正を明らかにしながら悪役たちに“倍返し”を続け、社会現象となった人気作の続編。クランクインの気持ちを聞かれると、堺はこう答えた。
「自分としては『しばらく止まっていた時計がもう一度動き始める』感覚なのかなと思っていました。そんな風に撮影が始まるイメージだったんです。ですが今日、実際に現場に入ってみると、スタッフのみなさんの勢いが『つきすぎている』といっても良いくらい凄かった。取り残されそうで、ちょっと慌てました」
そして「それは何故だろうと考えたんですが…」と続けた。
「前回のシリーズが終わったあとも、福澤監督をはじめみなさんの時計が止まっていなかったんですね、きっと。半沢以降に生まれたどの福澤作品にも、東京中央銀行は出てくる。
その間、監督をはじめとしたスタッフさんの中で“半沢”は生き続けていたんだと思います。むしろ、チームの中で“半沢”は成長すらしていたのかもしれない、そう思わされたクランクインでした」
「半沢-」の原作者・池井戸潤氏の原作で同じスタッフが手がけた「ルーズベルトゲーム」や「下町ロケット」「七つの会議」などのドラマ、映画を経て、堺は“時は止まっていなかった”という実感を持ったという。
「それもあって、今日はただのスタートではなく『既に走っているものに慌てて飛び乗る』というような幕開けでした。初日から、本当に凄い勢いです」
主演すらも気合を入れ直すほどの現場の熱量。早朝撮影とあり、前夜にぐっすり眠ったという堺は「もっと台本を読み返しておいた方がよかったかもしれないと思ってしまうぐらいでした。圧倒されてしまいました」と笑うしかなかった。
休憩中はスタッフとの再会を喜ぶように笑顔の絶えない堺だったが、撮影になると「これぞ半沢」な厳しい表情に一変し、ブランクの影響は感じさせない。“平成最高”が令和でどんな結果を残すのか-。7年の歳月を経て、当たり役をその身に宿した堺は「是非、新しい『半沢直樹』に、ご期待ください!!」とパワーアップを約束した。
前作から時間は空いたが、鎮まるどころか高まった熱量。スタッフから堺、そして視聴者へと伝播(でんぱ)し、今度はどんな視聴率をはじき出すのか楽しみでならない。(デイリースポーツ・古宮正崇)