【野球】新型コロナ対策徹底へ、球界は早急に細かなルール作りを

 プロ野球が、3月15日までのオープン戦72試合を無観客試合とすることを決定した。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け26日に都内で行われた臨時の12球団代表者会議後、プロ野球の斉藤惇コミッショナー(80)が「ファンのみなさまには大変申し訳ないと思っておりますが、苦渋の決断をしたところであります」と話したように、難しい判断だったことは間違いない。

 オープン戦は開幕前の貴重な実戦の場だ。選手に意見を聞いた球団の中には「オープン戦なしで開幕を迎えるのは難しい」という声も上がったという。今夏に控える東京五輪への影響も考えると、ギリギリの判断だったことがうかがえる。

 ただ、それは3月20日の開幕を前提とした最善策であり、感染拡大を防ぐためのベストな策ではない。JリーグやBリーグといった他のプロリーグは一定期間内の試合延期を決めたことと比較すれば、試合開催のために飛行機や新幹線で移動を伴う選手、スタッフの感染リスクは存在する。

 だからこそ、試合開催を決めた今後の対応が鍵になるだろう。代表者会議に出席した楽天・立花陽三球団社長は「ここで終わりではないので、これからもしっかり議論していくことが大事だと思う」とした。重要なのは、まさにその点だ。

 楽天では春季キャンプ中の15日から、キャンプ地・沖縄で感染者が出たことを受けてサインや握手といったファンサービスを自粛。選手、関係者の外出規制も行い、球団では職員のテレワークも検討しているという。そうした徹底した取り組みをもってしても、感染を防げる確証はない。

 選手やスタッフ、球団関係者が感染した場合もそうだが、さらに選手の家族に感染者が出た時に、その選手の扱いをどうするのか-課題は山積みだ。有事の際に混乱を最小限とするためにも、細かな面まで早急なルール作りが求められる。

 週明けからは、専門家を交えて12球団が参加する対策委員会が本格的に動き出す。「レギュラーシーズン143試合の実施を最優先に検討をしていきたい」と斉藤コミッショナーは話したが、選手や関係者、その家族の安全を守るために、徹底した議論を願いたい。(デイリースポーツ・中田康博)

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