【野球】楽天・高梨 料理チャンネルで新しいファンとの交流
チームが活動休止の中、楽天・高梨雄平投手(27)の取り組みがファンの間で話題となっている。趣味である料理を調理工程から披露しているYouTubeチャンネル「たかなしきっちん」だ。新型コロナウイルス禍でプロ野球が開幕延期となる中、新たなファンとのつながり方が注目されている。
「料理はプロに入ってから。寮生活から1人暮らしに変わるタイミングで、いい機会だと思ってチャレンジし始めた」と話す高梨。昨年12月に始めたTwitterで、自作の料理の数々を披露。そのクオリティーが話題になると4月25日からはYouTubeチャンネルを開設し、動画での公開を始めた。
新型コロナ禍でプロ野球は開幕延期となり、楽天もチームは3月末に活動休止。各選手が自宅などで練習を重ねているが、ユニホームでプレーする姿を見せられない期間に、ファンへのアプローチをどうするかも大切だ。
その意味で「食事はどんな人にとっても欠かせないもの」という視点で、自らが作った料理を紹介する「たかなしきっちん」は、面白い試みだと感じた。
既存の野球ファンのみならず、主婦やスポーツをする子供を持つ親たちへも体作りを基本とするプロ野球選手の食事、その作り方を披露することは新たな魅力を提供することにつながる。
また、あえて動画内で球団名やプロ野球選手ということを過度に宣伝していないのも、そうした垣根を越えてつながりを持ちたいという高梨の意志の表れで“粋”な感じだ。
それより、シンプルに興味をひくのは主役の料理。記者は料理が苦手な部類だが、動画で紹介している料理は「レンジでチンするだけ」というものではなく本格的なものながら、お手軽感があって「自分も作れるかな」と思わせる。
味付けの調味料も細かい分量を示さず目分量で「自分の好みで自由にやればいいよ」と背中を押されている感じだ。個人的には主婦の方たちだけでなく、記者と同じく料理が苦手な“非料理男子”にもおすすめしたい。
外出自粛や在宅勤務が続く毎日。この機会に料理を始めたいという人は、一度チェックしてみてはどうか。その上で多彩な趣味を持つアスリートがどんなプレーをするのか-少しでも野球に興味を持つ人が増えれば、それもまた新型コロナ禍を乗り越えた先の、新しい野球の楽しみ方となるかもしれない。(デイリースポーツ・中田康博)