【野球】オリックスが大山指名!?怪情報流れた2016年ドラフト

 ドラフト会議にもドラマがある。忘れもしない2016年10月20日。昼に電話が入った。

 「オリックスが白鴎大の大山悠輔内野手を1位か2位で指名するらしいんですけど。なんか聞いていませんか」

 『寝耳に水』という言葉が頭に浮かんだ。当日の紙面では1位を東京ガスの山岡泰輔投手、外れ1位には立正大・黒木優太投手を書いた。野手の上位指名なんてあるわけがない。

 この年のドラフトの目玉は創価大・田中正義投手、桜美林大・佐々木千隼投手の両右腕。オリックスは前日のスカウト会議では3時間にも及ぶ激論の末、1位指名の結論は出ず。当時の福良淳一監督は「4月から投げられる投手をというのは言った。3、4年後に大投手になるかもしれないが、来年勝負ということを考えると待っていられない」と言った。嘘は言わない人だ。このコメントのどこを取っても大山へとつながるものはなかった。

 この年は最下位。チーム防御率4・18もパ最下位。極端な駒不足に悩まされていた。5月24日・ソフトバンク戦では22-6の大敗。ファンの間では「オリの226事件」と呼ばれる惨劇もあった。そもそも野手を上位で指名する余裕などどこにもなかった。

 結局、1位・山岡に続き2位で黒木の指名に成功。その後も4位・山本由伸、5位・小林慶祐、8位・沢田圭佑、育成1位・張奕、同2位・榊原翼、3位・神戸文也と実に8人もが1軍戦力になるという“神ドラフト”となった。

 後日、福良監督はこんなことを明かしていた。

 「ドラフト会場入るときに他球団の人から“大山いくらしいな”って言われた。野手指名するなんてそんな余裕ないって!なんでそんな話になるんや?」

 結局、大山は阪神が佐々木指名の予想を裏切り、サプライズで1位指名した。

 あの怪情報は何だったのか?今でも不明のままだ。(デイリースポーツ・達野淳司)

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