【野球】開幕1軍へ「どんな場面でも」巨人・藤岡貴裕の新境地
かつての“大学BIG3”が新境地に手を伸ばそうとしている。プロ9年目、7月に31歳を迎える巨人・藤岡貴裕投手(30)が猛アピールを続けている。
13日の練習試合・日本ハム戦(東京ドーム)。四回から中継ぎ登板した左腕は140キロ台中盤の直球に多彩な変化球を織り交ぜながら、3イニングを1安打1失点と好投した。
宮本投手チーフコーチは「ロングリリーフないし、今後においては先発というところも見えてきたと感じています。チームにとってもすごく追い風となっている」と貴重な戦力として期待している。
群馬・桐生一時代は2年夏、3年春に甲子園出場。東洋大では3、4年時に大学選手権を制して2年連続MVPに輝いた。東海大・菅野(現巨人)、明大・野村(現広島)と並ぶ注目選手の一人として将来が嘱望された。
2011年度のドラフト会議では1位指名で3球団競合の末、ロッテが交渉権を獲得。期待に胸を膨らませながらピンストライプのユニホームに袖を通し、1年目は21試合に登板して6勝を挙げた。
しかし、徐々に思うような成長曲線を描けなくなってくる。18年7月に岡との交換トレードで日本ハムに移籍。結果を残せないまま翌年の6月に今度は吉川、宇佐見との2-2のトレードで鍵谷と共に巨人に新加入した。
2軍暮らしが続いたが、今年に入ると徐々に存在感を示し始める。2月の春季キャンプ中の実戦でアピールし、その後の練習試合でもロングリリーフが可能な救援投手として台頭。今月13日の試合後、藤岡は開幕1軍入りへの思いを口にした。
「開幕に残れるように与えられた場面でしっかり結果を残していきたい。シーズンの中でどんな場面でも任せてもらえるような準備をしていきたいです」
大学時代のように150キロ超の直球でドンドン押していくスタイルではなく、多彩な変化球をちりばめながら総合力で戦う。エース菅野と共に日本一を目指す左腕にとって、今季は野球人生の分岐点となる大事な1年だ。
(デイリースポーツ・中野雄太)