【野球】四国ILp「高校生トライアウト」詳細未定で開催発表 思いは球児の夢ため
独立リーグ・四国アイランドリーグplusが15日、四国の高校球児を対象に「高校生トライアウト」開催を発表した。参加条件など詳細については、未定。8月以降に四国4県内の球場で実施予定ということだけがリリースされた。
同リーグ初の試み実現へ今後も慎重に準備を進めていく中、あえて早い段階で情報を発信したのには理由がある。同リーグ・馬郡健代表取締役社長は、球児の心情に寄り添いながら語った。「1つの目標にしていただきたいというのが私たちの気持ちです。目標があれば頑張れますし、練習に身が入ると」
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、春夏の甲子園が中止となった。次のステージでも競技を続けようと考えていた選手にとっては、進路へ不安が募る状況。もちろん1つの選択肢として独立リーグという門戸を広げる意味合いもあるが、単純にいま野球に取り組むモチベーションにもしてほしいと願う。
もともと社会人チームの減少で本格的な野球の場を失った若者を救うため、2005年に生まれた同リーグ。馬郡代表取締役社長はコロナ禍によって生じた苦境に、「独立リーグの役割というのは非常に手前どもの話ですけど、大きくなっていく可能性がある」と“受け皿”としての意義を見いだしている。
「高校生トライアウト」はオフィシャルパートナーシップ契約を結ぶトリドールホールディングスの協力で、通常は約5000円の参加費が無料で受験できるようになった。加えて同社による「スポンサー選手制度」導入も検討。入団決定の選手から選出され、オフシーズンの職場提供や現役引退時のセカンドキャリアをサポートすることも考えている。
「高校生トライアウト」ならではのメリットも期待できる。通常のトライアウトは大学や社会人の選手とともに争われ、体格や技術の差からすると高校生は不利。同じ18歳同士ならフラットに選考され、見逃されがちな逸材発掘の可能性も高まるはずだ。
「こういう状況下なので夢をあきらめがちな環境にあると思いますけども、自分を信じて。最後の最後まであきらめてほしくない。燃え尽きていただいてもいいと思いますし、夢の続きを追いかけていただいてもいいんです」。馬郡代表取締役社長の思いはどこまでも球児に寄り添っていた。(デイリースポーツ・佐藤敬久)