【野球】阪神のポジション争いは…“激戦の三塁”マルテに軍配 遊撃は木浪と北條
19日のプロ野球開幕まであと3日。キャンプから続いた阪神のポジション争いも、ひとまずは決着だ。対外試合11試合から、今季の起用法が見えてきた。
捕手は3人の併用が続く。練習試合では梅野は開幕投手の西勇、青柳とバッテリーを組み、原口は岩貞とガンケルを好リード。坂本は秋山、ガルシアとコンビを組んだ。2年連続ゴールデングラブに輝く梅野が正捕手と目される中、シーズンでも併用が続くのか、采配に注目が集まる。
無風状態の一塁は新助っ人ボーアで固定。今春の実戦ではノーアーチが続いたが、6月は3試合連続本塁打を放ち、評判通りのパワーを証明した。開幕は4番が濃厚だ。ただ左投手に対して16打数無安打と不安は解消されていない。開幕後も左腕対策は急務となる。
キャンプから最も注目を集めたマルテと大山の三塁争いは助っ人に軍配が上がった。マルテは不安視された守備で好プレーを連発。実戦では4番にも座り、来日2年目の助っ人へ期待は大きくなるばかりだ。オープン戦首位打者に輝いた大山は一塁に加えて外野にも挑戦。昨季は全試合出場して経験を積んだだけに、ここからの巻き返しに期待がかかる。
一方、二遊間は混沌(こんとん)としている。矢野監督は遊撃について、木浪と北條の併用を示唆。木浪は守備力向上を印象づけ、北條はバットで快音を連発した。両者アピール十分だったが、決着は持ち越しとなった。二塁は当初キャプテン糸原の優勢とみられたが、実戦再開後は上本と出場を分け合った。
外野は近本、糸井、福留で落ち着いた。新昨季韓国リーグ打点王のサンズは右の大砲と期待されたが、極度の打撃不振で2軍降格。「MBS」クリーンアップで得点力アップを狙う構想もあっただけに誤算だった。キャンプMVPの高山、長打自慢の陽川も限られたチャンスの中で、懸命に食らいついた。
矢野監督は「誰が出てもそんなに大きく戦力が変わるというような戦力ではない。競争というのは1年間続いていくと思いますし、それでチームが強くなっていく。そういうところにみんなが来てくれたので」と戦力の底上げに自信を見せる。連戦続きの今季は選手の疲労や好不調の見極めがカギを握る。競争もここからが本番だ。(デイリースポーツ・杉原史恭)