【野球】巨人“ボーアキラー”高木 昨年末から描いていた対戦のイメージ
紆余(うよ)曲折を経て、プロ野球が開幕した。無観客での開催。静寂に包まれた東京ドームでの巨人-阪神の開幕戦、選手たちから独特の緊張感が伝わってきた。
巨人が対阪神の開幕カードで史上初の3連勝。流れを加速させたポイントは巨人のリリーフ左腕、高木が阪神の新助っ人、ボーアを封じたことだった。
昨年末、ジャイアンツ球場での自主トレ中、高木にボーア対策を聞いたのを思い出した。「来年、阪神にメジャーで92発、打ってる外国人が入ってくるらしいよ」と話を振ると、「バースの再来じゃないかと言われてますよね」と興味深そうに話していた。
そして開幕3連戦、2度の対戦で研究してきた成果が十分、表れた。初対戦は20日の第2戦、七回の2死満塁から登板し、外角直球を決めて見逃し三振。2度目の対戦は第3戦の六回2死満塁。外角の変化球でタイミングを外し、二ゴロに抑えた。
当時、ボーアへの攻め方を聞いた時こう語っていた。「抑えるイメージを持って投げられるように。スイングの速い外国人選手には直球を見せておいて、最後は緩いカーブ、緩い変化球を投げて最後は直球で、緩急は大事ですよね」。お手本通りの投球で天敵封じができたことは、今後の対戦に向けても自信をつかんだことだろう。
高木は昨季、55試合に登板し左打者被打率・257に対し右打者被打率は・256(共同通信デジタル調べ)と変わらなかったが、外国人選手との対戦では圧倒的に抑え込んだ。15打数2被安打、被打率・113。
いまや、巨人には欠かせないリリーフ左腕。昨季、外国人キラーとして活躍した左腕が“ボーアキラー”として阪神の前に立ちはだかる。(デイリースポーツ・水足丈夫)