【野球】なぜ一塁へワンバウンド送球?阪神・青柳の考えは…
「青柳はなぜ、ノーバンで投げないのか」。右腕の打球処理を見た人はそう思うかもしれない。だが、これは弱点を克服するためのプレー。自らピンチを広げないためにも徹底して取り組んでいる。
今季はここまで4試合に登板し、3勝1敗で防御率は1・50。(18日の時点)。抜群の安定感を誇り、先発ローテの一角を全うしている。
凡打の山を築く投球術が高く評価される一方で、注目されるのが青柳の打球処理だ。捕球すると、近距離の場合は一塁へ走っていって下からトスし、三塁側など少しでも距離があるとバウンドさせて送球する。もちろんノーバウンドで投げることも可能なのだが、送球が安定せず、悪送球になることが多かった。そこで右腕は苦手とする送球を克服するためにこの方法を編み出した。
「送球が苦手で、格好悪くてもアウトになればいいと思っている。高めに浮いてしまえば、捕れないボールもありますけど、低めなら何とかなると思うので。矢野監督からも『ゴロになっても走者より速く一塁に届けばいい』とアドバイスしてもらいました」
投手を務めている以上、バント処理を含む守備能力は失点にも大きく影響する。実際、これまで一塁への送球が悪送球となり自らピンチを広げて点を失うこともあった。
「同じことを繰り返すのではなく、何とかしないといけない」
奪三振など華々しいプレーだけでなく、考え抜かれた1つのプレー。アウトにできれば、どんな形でもいい。全ては結果が示している。(デイリースポーツ・井上慎也)