【野球】巨人 周到な準備が実った連続トレード 危機管理補強で選手層に厚み
巨人がシーズンに入り2度目のトレードを成立させた。7月14日には楽天で実績のある高梨雄平投手を獲得。その19日前の6月25日には池田駿と楽天・ウィーラーの交換トレードを発表。陽気な新助っ人は現在1軍で活躍する。飽くなき補強の成果もありジャイアンツは首位を快走している。
異例中のシーズンだからこそか、早急にトレードを重ねたが巨人は今シーズン、選手の駒が多ければ多いほどペナントを優位に進められると開幕前から読んでいたようだ。「普段と違って、負荷はかかるからね。ケガ人は出るだろうと思って。12球団、当たったんですよ」とある編成担当者は語っていた。巨人は高梨を獲得できたが、トレードが成立した時点で、抑えのデラロサが抹消されていた。が、デラロサ抹消ありきのトレードではなかった。もともと有事に備え開幕前から候補を当たっていた。周到な準備が実った。
開幕早々、投打において経験値の高い選手を獲得できたのは大きいだろう。今季は3カ月遅れで6月19日に開幕。120試合を11月上旬まで消化しなければいけない異例の“過密日程”となる。7月上旬には梅雨の時期もあり、巨人もすでに3試合が雨天中止になっている。シーズンの終盤に13連戦が組まれたり、10連戦が組まれることになり例年にはない連戦続きになる。「最初から過密日程になるだろうと、中継ぎ陣の負担は多くなるから。慌てて(補強を)やるより、今やった方がいいといろいろ当たっていました」と編成関係者は言う。
今季は開幕から6連戦が続き、ほぼほぼ月曜日しか休日がないシーズンとなる。そのせいか、中継ぎ陣に負担がかかるのは否めない。21日、巨人・菅野がお得意様の中日から2度目の完封勝利を飾ったが、リリーフ陣を休ませることができる時に休ませられたのは大きい。原監督も「今年は全員で戦わないといけないシーズン」と言う。
どの球団にもあてはまることだが、投手にしても野手にしても戦力としておいておくことは宝の持ち腐れにならないはず。巨人の危機管理補強は終盤に生きてくると思う。(デイリースポーツ・水足丈夫)