【スポーツ】B1広島の広報・白神香奈さんが奮闘「会場を朱色で染めたい」
バスケットボールB1に昇格した広島ドラゴンフライズで広報を務めている白神香奈さん(26)。メディアからの問い合わせに対応したり、ニュースリリースを作成。ツイッターやインスタ、フェイスブックなどのSNSを駆使してチーム情報を発信するなど多忙な日々を送っている。シーズン中もツイッターで試合を速報。試合終了後は記者会見を仕切ったり、チームの公式サイトに試合リポートをアップするなど息つく暇がない。
多くの人にチームのことを知ってもらうことが広報の重要な仕事だが、「SNSのフォロワー数は他のB1チームと比べるとまだまだ少ないです。公式サイトの情報量も十分じゃないと思うので、もっと分かりやすく、いろんな情報を提供していくことがこれからの課題です」。広報部の上司や同僚のサポートも受けながら試行錯誤の毎日でもある。
入社3年目の今年は思わぬアクシデントに見舞われた。2月に友人とバスケットボールをしていて左アキレス腱を断裂。2週間の入院生活を送った。しかし、チームはB1昇格を目指した戦いの真っ最中とあって、1カ月後には松葉づえをついて出社。選手からは「お前が故障者リストに入ってどうするんだ」と大笑いされた。真面目な仕事ぶりで選手からも愛されている白神さんらしいエピソードだ。
コロナ感染が拡大した3月には、チームは無観客の中でB2西地区優勝を飾った。「少しでもファンの皆さんと喜びを分かち合いたかった」という白神さんは、ツイッターで優勝セレモニーの様子を生配信。さらにリーグ戦が打ち切りになると、選手のトークショーをYouTubeで生配信したり、試合のハイライト動画集をアップ。コメント欄には「選手の元気な姿が見られてうれしい」という声が相次いだ。
バスケット観戦の魅力には「臨場感」を挙げる。「野球やサッカーと比べて選手と観客席の距離が近いので迫力がじかに伝わってきます。選手が観客席に飛び込んでくる感じですね」。そして「選手はみんな背が高くて、ほどよい筋肉質。かっこいい選手が多いので、そこにハマる女性の方も多いですよ」。
「人見知りはしないです。知らない人と会うのも全然苦になりません」と言い切る明るい性格。だれとでもすぐに親しくなれるところも広報という仕事にぴったりだ。今季は10月に開幕。初のB1舞台に挑む選手をバックアップしていく。「どんどんチームの認知度を上げて、会場を(チームカラーの)朱色で染めたい。ファンの皆さんの声援が選手の一番の後押しになりますから」。その言葉にはチームとバスケットを愛する気持ちが詰まっている。(デイリースポーツ・工藤直樹)
白神香奈(しらかみ・かな)1994年6月20日生まれ。福岡県飯塚市出身。小学4年から高校までバスケットボールに打ち込む。精華女子短大卒業後、栄養士として勤務するが、“バスケ愛”は消えず、bjリーグのライジング福岡(現ライジングゼファー福岡)に転職。さらに18年8月に広島ドラゴンフライズに入社した。EXILEの大ファンで全国各地へライブを見に行っていたが、「最近は忙しくて行けてません」と残念そう。家族は両親と弟。