【野球】広島 育成2位木下が2軍で奮闘 敦賀気比時代に甲子園で活躍

 育成入団の高卒ルーキーが早くも頭角を現している。木下元秀外野手は「一打席一打席でどれだけ結果を出せるか。まずは、その一打席に集中していきたい」と力を込める。

 ウエスタン・リーグ開幕2戦目の6月20日・中日戦(由宇)で代打として公式戦初出場を果たすと、翌日は「6番・右翼」で初スタメン出場。うれしい初安打も記録した。持ち味はパワーを生かした長打力。同27日のオリックス戦(オセアンBS)で初本塁打をマーク。7月21日の同戦(オセアンBS)では2-3で迎えた九回2死一、二塁で逆転となる2点適時二塁打を右翼線へ放ち、勝負強さも見せつけた。

 29日現在、17試合に出場、打率・163、1本塁打、6打点。打率こそ低いが存在感を示すことで、スタメンに名前を連ねる機会も増えてきた。「自分は足もないので、打撃しかないと思っている。どうやって飛ばすかというところを研究している」と飛距離アップをテーマに置き、理想の打撃フォームを追い求めている。

 その中で参考にしているのは、敦賀気比の先輩であるオリックス・吉田正尚外野手(27)だ。昨季はリーグ2位となる打率・322を記録し、29本塁打をマーク。確実性を兼ね備えた長距離砲から学ぶ点は多い。「同じ左だし、体格も似ている。マネしているわけではないが、いろんなことを吸収している」と話す。また、東出2軍打撃コーチも敦賀気比の先輩にあたり、“師弟”のような間柄とあって、多くのアドバイスを受けている。

 普段はチームメートからいじられるなど人気者。まずは支配下登録が目標だ。「結果を出したい。この世界、本塁打を打てないと長生きできない。本塁打を打てれば、支配下選手にもなれると思う」とアーチ量産への思いを口にする。「まだ半年だが、プロの球に負けないように力強くフルスイングしたい」と意気込む19歳が高い志を胸に道を切り開く。(デイリースポーツ・赤尾慶太)

 ◆木下元秀(きのした・もとひで)2001年7月25日生まれ。大阪府出身。左投げ左打ち。外野手。183センチ、91キロ。背番号124。今季の年俸240万円(推定)。敦賀気比高から2019年度育成ドラフト2位で広島入団。高2夏までエースだったが、野手に転向。3年夏の甲子園では12打数7安打6打点の数字を残した。高校通算38本塁打。海外ドラマ好き。好きな俳優はジェイソン・ステイサム。

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