【野球】阪神・小川 球児直伝“新球”フォークで進化なるか
開幕から1軍メンバーに入り、中継ぎとして登板していた阪神ドラフト6位・小川一平投手(23)=東海大九州=が17日、今季初の2軍降格となった。14試合に登板し、防御率7・62。プロのレベルを痛感した部分もあると思うが、早い段階で1軍を経験できたことは必ず今後の成長につながるはずだ。
開幕1軍は小川にとってプロでの第一目標だった。オープン戦、練習試合で結果を残し、自らチャンスを手繰り寄せた。「真っすぐの磨きをかけて、真っすぐで空振りを取れる選手になりたい」と意気込んでいた右腕だが、1軍でマークした10三振中8個が直球で奪ったもの。即戦力としての片りんをうかがわせる投球を披露した。
しかし、そのストレートの制球が甘くなり、打たれたケースもあった。小川が1軍で最も安打を許した6月26日・DeNA戦(横浜)。先頭のソトに外角高めの直球を右前にはじき返された後、オースティンに真ん中高めに入った直球をジャストミートされ、バックスクリーンに運ばれていた。直球の細かな制球力、球質の向上はプロの世界で生き抜く上でカギとなりそうだ。
自身も反省点に挙げる。「(今までは)100%で投げている部分が多かった。80%くらいの力感で投げられるように」とファームで改良していく考え。これまではパワーチェンジやカットボールなどの変化球を投じてきたが、投球の幅を広げるためにも緩い球やフォーク取得を目指しているという。
フォークは、自身が憧れを抱く藤川が1軍でプレーしている時に教わった。「フォークは今取り組んでいるんですけど、(藤川さんに)教えてもらったので、しっかり習得していければ」。進化へのヒントを得ただけに、これをどう生かすか。ウエスタンで打者と対戦して反応を探り、有効的な球となり得るかを見極めたい。
大卒1年目。即戦力としても期待される部分は大きいが、ここからの伸びしろにも首脳陣は期待している。開幕前には、矢野監督が「勝ちパターンに入ってきてもおかしくないような投球をしてくれている」と話したほどの逸材。いずれは指揮官の期待通りの選手となるために、鳴尾浜で進化のきっかけをつかみたい。(デイリースポーツ・関谷文哉)