【野球】阪神 木浪の守備が改善された要因 二塁&遊撃で守備率・991
グラウンドに立っている時、ほとんど足が止まることはない。「木浪の守備は安定してきた」。今年、解説者の口からこの言葉が聞かれる。
昨季は113試合に出場し、チーム2位の15失策。守備機会に対して失策をしなかった数値(守備率)では、遊撃手の規定試合到達者の中でリーグワースト記録だった。だが、2年目を迎えた阪神・木浪聖也内野手(26)は、確かな成長を示している。
ここまで52試合に出場し、二塁と遊撃合わせて219守備機会のうち、失策は2、守備率・991。(23日の時点)。遊撃ではリーグトップの巨人・坂本の守備率・995に次ぐ、2位の守備率・990だ。
課題となっていた守備力強化へ。キャンプや自主練習期間は、守備練習に重点を置いてきた。「100%信頼されるような守備はレギュラーを獲るためには絶対、必要なこと」と、定位置を確約されるために取り組んできた。
守っている際に心がけるのは足を止めないこと。「去年は緊張して足が止まってしまっていることがあった。(昨シーズン)後半に久慈さんからもアドバイスをもらって。足を止めるのではなく、常に動かしながら打球に反応するようにしています」と語っていたように、常に足を動かしながら飛んでくる打球に備えている。
また、全ての打球処理に全神経を集中させているが、中でも試合におけるファーストプレーは重要視している。「(試合の)入りが大事。1つ目のプレーがうまくいけば、いい感じで試合に入ることができる」と自らの考えを説明した。
2年連続でリーグワーストを記録するなどチームは近年、失策数が問題視されている。今シーズンも54試合を消化した時点で40失策はリーグ最多だ。さらに守備の名手に与えられるゴールデングラブ賞は17年に鳥谷(ロッテ)が三塁で獲得して以降、内野手での受賞者はいない。
課題と向き合い、改善された木浪の守備力。堅実な守備を積み重ね、投手を支え、レギュラー獲得へ存在感を示し続ける。(デイリースポーツ・井上慎也)