【野球】巨人 今オフ大量解雇方針の理由「3、4年後に出てくる選手を囲い込みたい」
常勝軍団形成へ、巨人が選手育成に方針をシフトしている。大塚淳弘球団副代表編成担当(61)が今オフの“大量解雇”を示唆しているが、その大きな一歩だと認識している。
今月21日に川崎市のジャイアンツ球場で行われた新人テスト。今年は新たにシート打撃を導入し、実戦向きな選手の発掘を模索した。87人が受験して18人が最終選考を通過。テストは午前9時に始まり、全て終了したのは午後4時過ぎだった。
視察した大塚球団副代表は「例年よりレベルが高いのかなという感じですね。2、3年後のドラフト1位がいますよ。原石がいますよ」と納得の表情。続けて「やっぱり発掘、育成にシフトしているんでね。可能性のある選手に切り替えたいんですよ。今はうまくなくていい。3、4年後に出てくる選手を囲い込みたい」と大幅な“血の入れ替え”を断行する決意を明かした。
現在1軍では育成選手出身の増田大や松原が活躍中。阿部2軍監督と二岡3軍監督が先導役となり、既に改革は始まっている。その中で、根底にあるのは原監督の信念である実力至上主義。厳しい現実も待ち受けている。
「迷ったら切るのも選手のためじゃないかと。いつまでもずるずるユニホームを着させるよりも、新しい道に背中を押してあげた方がいいんじゃないかと。今までは迷ったら残していた。選手のために『新しい道に早く行きなさいよ』と、諦めさせるのも一つの使命かなと思っています」
チームは転換期を迎えている。同球団副代表は「厳しいようだけど、新しい血を入れていかなきゃいけないのかなと思っています」と言葉を続けた。今秋のドラフト会議では本指名6人、育成契約で約10人の獲得を目指す予定。「(来季に向けて支配下登録選手)62、3でスタートしたいんですよ。そうすると13、4名を切るか育成に戻さないといけない。ちょっと厳しいですけど変えていかないと」。今後、その選定作業は本格化していく。
リーグ連覇へのマジックは「28」。圧倒的な強さを誇る巨人は常勝への道を歩んでいる。「“発掘育成”って言っているんですけど、早く見つけて育てるという」。勝利と育成の両立。時に非情と言われることも、勝つために必要なら実力至上主義の旗の下に敢行する。他の追随を許さない強さはここにある。(デイリースポーツ・中野雄太)