【野球】160キロ連発の阪神・藤浪、今春は佐々木朗の163キロに「時代ですね~」としみじみ
阪神の新セットアッパー藤浪が1日・中日戦(甲子園)で160キロを連発した。2-0の八回に登板。1死から木下拓への2球目、真ん中高めへの直球が自己最速タイ160キロを計測した。この夜は3連発を含む5度の大台突破。図らずも新境地でポテンシャルの高さを知らしめた形だ。
プロ入りから追い求めてきたのは「球速より球質」。1年目の13年5月には「スピードガンの数字とか『今日はMAXが出たから調子が良かった』とか、そういうわけでない」と語っているが、肉体のビルドアップと共に、球速は右肩上がりに伸びていった。
大阪桐蔭時代の最速は153キロ。プロ1年目は155キロ、2年目は157キロ、3年目は158キロとアップ。4年目の16年9月14日・広島戦(甲子園)の鈴木誠の打席で初球に159キロをたたき出し、3球目に初めて160キロをマークした。外角低めに外れたが、投球フォームは躍動感たっぷり。ただ、当時も「引っかけた球ですし、(スピード)ガンが出たからといって抑えられるわけではない」と淡々したものだった。
今回は中継ぎで大台突破し「160キロを狙ったわけじゃないですが、短いイニングなのでリミッターは外れます」と振り返った。今季は直球を痛打される場面が目立っていた。1イニングに全力投球することで、本来の直球の精度を取り戻しつつあるようだ。
コロナ禍の中、1軍に緊急昇格。7年ぶり救援登板からプロ初ホールド、そして160キロ連発。しばらく白星から遠ざかる甲子園でも好投を続け、空気は変わってきたようだ。
今春のキャンプ中、ロッテのドラフト1位・佐々木朗希の話題になった。令和の怪物は大船渡時代に高校生最速163キロをマーク。藤浪は「すごいですね、時代ですね~」としみじみと言った。藤浪の26歳シーズンは激動の1年。2日からは甲子園で巨人4連戦だ。ファンは背番号19の登場を待っている。(デイリースポーツ 杉原史恭)