【野球】京都工繊大初のプロ入り目指した河野 独立リーグ愛媛からドラフト再挑戦
10月26日に行われたドラフト会議で、悔しくも指名漏れした京都工繊大の最速145キロ右腕・河野翔太投手(4年・四條畷)が、独立リーグで鍛錬を積み、1年後のドラフトに再挑戦する。
9日に四国アイランドリーグが公式ホームページで入団トライアウトの合格者を発表。河野は同リーグに所属する愛媛マリンダパイレーツの「特別合格者」に選ばれた。近々正式な契約を交わし、卒業後から本格的にチームの活動に参加する予定だ。
今年、京都工繊大初のプロ入りを目指したが、コロナ禍の影響でアピールする機会が少なかったこともあり、ドラフト会議で名前が呼ばれることはなかった。それでも、河野は「来年のドラフトで3位以内での指名を受けることが今後の目標です」と大きな夢を追い求め、独立リーグに進むことを決めた。
意外にも、河野が大学の野球部に入部したのは2年生になる直前だった。小1から高校まではバリバリの野球少年だったが、高3の時に京大を目指すことを決意し1年浪人。結果的に京大入学はかなわなかったが、国立の京都工繊大に主席で合格した。
入学後は「野球から離れて、いろいろなことをしながら大学生を楽しんでみようと思った」と情報工学課程を学びながら、タイに短期留学するなど大学生活に専念。その間に、野球部の國井大平監督から度々オファーを受けたが断っていたという。しかし、「やっぱり野球から離れられなかった」と1年の終わりに入部。2年春からリーグ戦に出場し、3年からは主将を務めるなど、すぐにチームの主力となった。
河野の魅力は、なんと言っても身体能力の高さだ。本職は投手だが、登板しない時は捕手や内野手も兼任し、チームを支えてきた。國井監督は「何でもこなしてくれて、チームに貢献してくれた」と感謝を口にした。
コロナ自粛中は練習環境が整わない中で、自分なりに考えてトレーニングを続けた。その結果、球速がアップし球にもキレが出るようになったという。持ち味は「スピード以上のものを感じさせる回転数の多さと、けん制のスピード」と胸を張る右腕。
今後は投手に専念し、「監督やチームメートから変化球や投球術を学び、160キロを目指したい」と高い目標を掲げる。愛媛MPには元巨人の河原純一監督をはじめ、元DeNA・白根尚貴コーチなど元プロの指導者が多い。プロになるための技術、心得をたくさん吸収していくつもりだ。
また、10月には「奇跡起こしたい」をモットーに、クラウドファンディングで活動に必要な資金集めを行ったところ、目標の15万円を大きく上回る支援があった。応援してくれる人たちの期待に応えるためにも「必ずこの夢をかなえたい」と力を込めた河野。新天地となる愛媛で一回りも二回りも大きく成長し、来年のドラフト会議で必ず夢をつかみとってみせる。(デイリースポーツ・永井優花)
◆河野 翔太(こうの・しょうた)1998年3月25日生まれ、22歳。178センチ、78キロ。右投げ右打ち、投手。小1から野球を始め、城東中時代は「オール意岐部ボーイズ」でプレー。四條畷での最高成績は3年春の県ベスト8。京都工繊大では2年春からリーグ戦に出場。主席合格の秀才で、現在は自動運転に必要なエッジコンピューティングを研究中。最速145キロ。球種はスライダー、カーブ、カットボール、チェンジアップ。