【競馬】アーモンドアイと、もう一つの“愛”
史上初の三冠馬3頭によるドリームマッチを制したアーモンドアイ。3強が上位3着までを独占する日本競馬史に残る名勝負となりました。現役最強女王が、芝G1・9勝目で貫禄を示した一戦。その主戦を務めるルメールJと以前、こんなことがありました。2年前の12月のことです。関西ローカルの夕方の情報番組に、夫人のバーバラさんが出演していたのです。
空港での日本の食に関するインタビューで、「ジャパニーズフード、とてもおいしい」と流ちょうな日本語で応対していました。慌てて番組を録画し、後日、本人に確認。すると、本当にうれしそうに教えてくれました。「見てくれた?そうそう。香港に行く前の空港でインタビューされました」。ルメールJの夫人と知らずに話を聞いていたそうで、近くでみんなで盛り上がっていたと言います。家族で仲のいい様子が伝わってきました。
以前、ルメールJがオシャレなマスクをしていた時に、「バーバラが作ってくれたんです」と教えてくれたこともありました。異国の地で活躍する夫を支え、ともに戦ってきた夫人。家族全員、アーモンドアイが大好きで、コロナ禍になる前には、息子のルカくん、娘のアンドレアさんとともに競馬場に熱心に足を運んで応援。レース後、ルメールJとハグする姿は、絵になる印象的な光景でした。
最後の勇姿も家族で精いっぱい応援したことでしょう。2度目のジャパンC制覇。日本競馬史上初となる芝G1・9勝の功績は、永遠に輝き続けるはずです。アーモンドアイの活躍には、ルメール家の家族愛も不可欠だったと思います。来春には繁殖入りする予定の彼女。その家族とも言える子どもたちにも、母のような力強い走りを見せてほしいものです。(デイリースポーツ・大西修平)