【野球】中日・福留は球界最年長でも“野球少年”子供たちへ送った忘れられない言葉

 球界最年長のベテランが、古巣へ復帰した。昨季まで阪神でプレーした福留孝介外野手(43)が今季から中日でプレーする。背番号は「9」。99~07年まで同球団で着用した「1」と、阪神で背負った「8」を足した数字で心機一転、2021年シーズンに臨もうとしている。

 阪神時代、印象的だったベテランの姿があった。一昨年の12月、福留は神宮球場で開催された「よしもとエンジョイベースボール」という野球教室に参加。野球を辞めたい、悩みがあるという少年、少女たちに野球の楽しさを伝えることがコンセプトに置かれていたイベントだった。

 約3時間、試合形式のミニゲームを行ったり、実際に福留からバッティングの指導などもなされ、子どもたちもくぎ付け状態。プロの技を伝授する姿も印象に残ったが「今の良い感じだよ」「ナイスボール」と笑顔で接し、一緒になって喜ぶ姿はまるで“野球少年”のようだった。

 「環境であったりとか、(心から)楽しんでいないからそういう風に思うこともあるだろうけど。僕は打つことがしてみたい、投げる、走ることがしてみたいとか。ファインプレーをしてみたいとか、何か一つの楽しさというのを見つけてそこからだんだん野球という形、ゲームという形にしていって、やってくれればね…。そこから好きになって野球というゲームを楽しんでくれればいいと僕は思う」

 同イベント終了後、福留が野球に対する悩みなどを持った子どもたちをおもんぱかり、提言した言葉だ。自身は小学校の頃にソフトボールを始め、中学から野球の道へ移り、プロへの道を切り開いた。打つ、投げる、守る。そんな一つ一つのプレーに楽しさを覚えた過去が原点でもある。

 幼い野球少年から「野球は好きですか?」という問いに対し、福留が優しくほほ笑んでいた瞬間は忘れられない。阪神退団決定後も鳴尾浜などで黙々とバットを振り込む姿があり、後輩たちにも技術を惜しみなく伝える。行動からも野球への情熱が全く冷え切っていないように感じられた。

 古巣・中日に移籍しても、ベテランの背中が必ず後輩選手たちに好影響をもたらすに違いない。今年4月26日に44歳を迎える福留の新たな“戦い”から、目が離せない。(デイリースポーツ・関谷文哉)

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