【野球】支配下狙う阪神・小野寺が、激戦必至の外野争いのダークホースとなるか
阪神の育成選手・小野寺暖外野手(22)が初の1軍キャンプメンバーに選出された。ルーキーイヤーの昨季から野手の中では、支配下登録候補の筆頭格だっただけに、是が非でもこのチャンスをモノにしたいところだ。
入団当初から思い切りのいい打撃が売りだった小野寺。昨年は春先のオープン戦、練習試合の時期に体験昇格し、“初安打”や“決勝打”など本番に強い姿を印象付けてきた。7月以降に右手首を痛めたこともあり、1年目はウエスタン・リーグで44試合出場、打率・233、0本塁打、9打点と不完全燃焼に終わったが、終盤に存在感を高めてきた。
11月に開催されたみやざきフェニックス・リーグでは打率・293と好成績を残し、平田2軍監督は「このフェニックスでは右にもホームランを打っているし、アピールしているよ」と目を細めた。
本人は「3割打てなかったのが、少し悔しいですね」と唇をかんでいたが、「来年(2021)はいっぱい取り上げてもらえるように頑張ります!」と気合十分。2年目の飛躍に期待がかかる。
小野寺の魅力は打撃だけではない。入団当初から守備の面でもコーチ陣からの評判はいい。昨年の2軍春季キャンプでは新人ながら、中村2軍外野守備走塁コーチが「ここにいる選手の中でもうまいし、島田が新人の時に入ってきたくらいの(外野守備の)うまさを感じるよ」と評価。さらに、一塁や三塁守備もこなせる起用さも兼ね備えている。
新外国人のロハスやドラフト1位・佐藤輝明の加入もあり、外野争いは激戦必至。し烈な競争の中に飛び込んでいくこととなるが、若虎に気負いはない。「自分の持ち味というか、積極さ、打つだけじゃなくて守備でも走塁でも全てを積極的にずっとやってきた。そこをずっと続けていきたいと思います」と全力のアピールを誓った。
矢野監督は、小野寺ら若手選手を宜野座に呼ぶ理由について「そこでしか感じ取れない(ことがある)。1軍の方が刺激があると思うので」と言及。伸びしろに大きな期待を寄せているようだ。
宜野座メンバーの中では、ダークホース的存在だろう。ただ、昨年経験した1軍の実戦でも“意外性”を発揮してきた。メキメキと頭角を現し、背番号2桁をつかみ取ってみせる。そして、持ち前の積極性を貫き、勢いそのままに定位置争いでの大番狂わせを起こしたい。(デイリースポーツ・関谷文哉)