【野球】阪神2軍キャンプのキーマンは久保田、田中の両新任コーチ
阪神2軍も4日に第1クールを終えた。選手たちは宜野座に負けず、安芸で大粒の汗を流している。平田2軍監督は「キャンプはコーチが主役で選手を引っ張っていく」と第2クール以降のキーマンに新任の久保田2軍投手コーチ、田中2軍内野守備走塁コーチを挙げた。
2人にとってはこのキャンプが初指導。久保田コーチは初日からブルペンで打席に立ち、田中コーチもノックバットを振り続けていた。
平田2軍監督は第1クールを振り返り、「田中コーチ、久保田コーチはもっと存在感を出さなきゃ。まだ手探りの状態。もっと自分のスタイルを出せばいいねん」とあえて厳しい言葉でハッパをかけた。
ただ、選手の表情を見ていると、新コーチによる効果は十分に感じられる。まずは投手陣。久保田コーチは初日から望月の打席に立ち、球筋を確認した。右腕は「打席に立ってもらって、ありがたかった。久保田さんが打席に立っての見立てとか、感じたことを伝えてくれたので、良かった」と感謝していた。
同コーチは2日目にも昨季、オリックスからトレードで移籍した小林の打席に立ち、「十分戦力になる」と高く評価。指揮官は「久保田は(内角球を)逃げない。えらいよ。鉄仮面・久保田があんな顔して打席に立ったら、いい練習になるんじゃない」と本塁ベース側いっぱいに立つ、久保田コーチの姿勢をほめていた。
小林はNPBのシーズン最多登板数記録(90登板)保持者でもある同コーチから「連投とか球数が増えた時のメンタルを聞いていきたい」と吸収したいことばかりだ。
野手陣も田中コーチから学ぶことが多いようだ。早出特守、居残りでの特守は第1クール4日間、毎日実施。同コーチは1日1000回近く、ノックバットを振っていた。
ノックだけではなく、捕球姿勢を保ちながらダイヤモンドを一周させ、下半身強化も欠かさない。植田や遠藤、熊谷、板山らは「あーっ」とうめき声を上げ、練習後は足がふらふら。遠藤は「きついっす。ヤバいです」と苦笑いで本音を漏らした。
ドラフト7位・高寺は体力面を考慮され、特守は第2クール以降から開始となる。ただ、普段の練習でも同コーチは熱心な指導を繰り返している。チーム唯一の高卒新人は「守備も下半身が大事だなと気づいた」と目を輝かせた。
「今まで守備で下半身に(張りが)くるという感覚がわからなかった。しっかりとした捕球姿勢で数を捕ると下半身に(張りが)きます」と、下半身はパンパン。第2クールではさらに、厳しい練習が待ち受けている。
平田2軍監督からハッパをかけられた2人の新任コーチ。指揮官の言葉に発奮し、第2クール以降、2軍の選手たちへさらなる指導にあたるだろう。安芸から1人でも多くの戦力を1軍へ-。2人のコーチから目が離せない。(デイリースポーツ・今西大翔)
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