【野球】将来は“スカウト・新庄”誕生も?独立L訪問でにじむ“独自の野球観”
やはり華がある。元阪神、日本ハムで米大リーグでもプレーした新庄剛志氏が、長野市内で行われたルートインBCリーグ・信濃-新潟にゲスト参加。始球式などで独立リーグの試合に訪れたファンを沸かせた。
昨年12月に15年ぶりの現役復帰を目指してプロ野球合同トライアウトに参加し、話題をさらったことは記憶に新しい。1安打を放って猛アピールしたが、NPB球団からのオファーは届かず。2度目のプロ野球選手の道は断念した。今後の活動について明確な方向性は示していない中、「野球が好き」と情熱は色あせていない。
特に未来の球界を担う可能性を秘めた若者へ向けられたまなざしは鋭かった。NPBを目指す独立リーガーのプレーについて、「何かがちょっと足りないっていう印象はあるので。でも、ここを直したらプロ野球選手になれる近道になるんじゃないかなっていう選手はけっこういます」と力説。決してリップサービスではなく、語気には熱さがこもった。
試合直前のミニ・トークセッションでは選手たちに、「ストレートだろうが変化球だろうが、ボールに当たらなくてもいいです。とにかく早めにタイミングを取って、しっかりブンッて振るスイングを見たい。三振は恐れずに、思いっきり振ってください」とアドバイスを送った。
フルスイングで魅了してきた新庄氏らしい言葉だ。「練習で試合のように、試合で練習のように。あとは野球を楽しく、カッコつけてやってほしい」とも願った。「いいプレーをしようとすると硬くなる」という考えからくる“ポリシー”。独自の野球観のもと、記憶に残る数々のプレーが生まれたのだと改めて感じた。
現在はプロ野球の2軍のゲームもチェックしており、選手の動きをスカウトのような目線で追ってしまうのだという。「いろいろ試合を見て。大学の子たちも見たい」とアマチュア球界への興味ものぞかせた。
「これからもしかしてスカウトになるかもしれないし、もしかしてユニホームを着るかもしれないし。最終的には何かプロ野球に関わっていきたい」。独自の視点から“新庄2世”を自らの手で発掘する可能性もゼロではない様子。「チャンスがあれば、またみんなをいろんな意味で驚かせたい」と期待を抱かせ、球場を離れた。(デイリースポーツ・佐藤敬久)